ラウンドアップ除草剤に関する詳細情報をお求めの方々のために、ここで一層詳しく解説いたします。
ラウンドアップ除草剤を購入する際に知っておくべき、特に重要な情報を含めました。
ラウンドアップとは
ホームセンターなどで簡単に手に入るラウンドアップですが、これは除草剤であることは間違いありません。しかし、他の除草剤とどのように異なるのでしょうか。また、なぜ良い噂と悪い噂が同時に存在するのでしょうか。ラウンドアップについて、より詳しい解説をお届けします。
ラウンドアップの歴史
ラウンドアップは1974年にモンサント社 (Monsanto) によって開発された農薬で、主成分としてグリホサートを含んでいます。モンサントは1901年にアメリカで設立された、バイオ科学分野で非常に広く知られる多国籍企業です。
グリホサート (Glyphosate) は、植物が成長するために不可欠なアミノ酸の合成を妨げることで、植物を効果的に枯らす作用があります。現在、世界中で最も多く使用されている除草剤の一つとして、その地位を確立しています。
引用:(グリホサートを取り込みたくない!|コープ自然派 ~オーガニック、しかもお手頃~)
除草剤としての使用が広まる一方で、人間や動物に対して有害であるとの報告も存在しているため、注意が必要です。
ラウンドアップと他の除草剤の違い
ラウンドアップは、他の除草剤とどのように異なるのでしょうか。
非選択性除草剤
ラウンドアップを含むグリホサート系の除草剤は、非選択性除草剤に分類されます。これは、枯らす対象となる植物を選ばないことを意味しています。つまり、どんな植物でも枯らしてしまうため、農作物に対しての使用は認められていません。
これに対して、選択制除草剤は、特定の植物にのみ効果を示すため、使用する際の選択肢が異なります。
農薬登録のありなし
ラウンドアップは農薬登録がされていないため、農耕地での使用は認められていません。
ラウンドアップは農薬ですか? 農薬登録がございませんので使用できません。
農薬登録とは
登録とはどういうことですか。 農薬取締法の規制により、特定農薬を除く全ての農薬は、その効力、安全性、毒性、残留性などに関する試験成績を提出して審査を受け、行政庁(農林水産大臣)の承諾を得る必要があります。この承諾を登録と呼びます。登録を受けていない農薬は、日本国内において製造、販売、使用ができません。
引用:(無登録農薬や農薬の登録制度など、「登録」という言葉がでてきます。登録とはどういうことですか。|農薬は安全?|教えて!農薬Q&A|JCPA農薬工業会)
ラウンドアップだけでなく、グリホサート系の除草剤は、パッケージに「農薬ではありません」と明記されています。これは、農薬でないということは、農耕地での使用が禁じられていることを示しています。
ラウンドアップが危険視される理由
ラウンドアップやグリホサート系は、日本の法律により農耕地に使用できないと説明しましたが、海外では事情が異なる場合も多いため、その点についても触れておく必要があります。
遺伝子組み換えとセット
下の画像は、ラウンドアップを散布する前後の様子を示しています。
本来であれば、ラウンドアップを散布すると非選択性除草剤の特性により、大豆畑はすべて枯れてしまうはずです。
引用:(よくある質問|遺伝子組み換え技術を利用して、どんな作物が作られていますか。|バイテク情報普及会<)
ところが、この散布後の画像には、大豆だけが残っているのです。
これはどういうことでしょうか。
実は、この大豆は遺伝子組み換え大豆であり、ラウンドアップに対する耐性を持つように遺伝子が改変されています。
モンサント社の目的は、ラウンドアップ耐性の作物とその除草剤を一緒に農家に販売することだったのです。
このように、遺伝子組み換え作物が問題視されるのは、ラウンドアップとの関連性が非常に強いからです。
ラウンドアップ耐性の作物
ラウンドアップ耐性を持つ作物には、どのような種類が存在するのでしょうか。
具体的には、大豆、小麦、とうもろこし、キャノーラ、コーヒー、たばこなどが挙げられます。
特に小麦については、アメリカやカナダから輸入されるものの約90%以上からグリホサートが検出されていることが報告されています。つまり、国産小麦を選ぶことで、遺伝子組み換え小麦を避ける一つの手段となるのです。
世界の規制
日本では2017年にグリホサートの使用規制が大きく緩和されましたが、世界の多くの国では規制が強化されています。
禁止している国
ルクセンブルク、マルタ、ドイツ、オーストリア、フランス、韓国、台湾、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ポルトガル、スウェーデン、スイスなど、多くの国で使用が禁止されています。
また、州や自治体単位で禁止している国も存在します。
反バイエル・モンサントデー
毎年5月には、反バイエル・モンサントデーが開催され、各国で抗議行動が行われています。モンサントはバイエル社に買収されたため、この名称が付けられました。この抗議行動は2013年に始まりました。
モンサントに関するネガティブなイメージは、ラウンドアップや遺伝子組み換え食品だけにとどまらず、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、枯れ葉剤、牛成長ホルモンなど、これらもモンサントによって開発された製品です。
こちらの映画は、世界42か国で公開されました。
モンサントについてさらに詳しく知りたい方は、予告編をご覧になることをお勧めします。
アメリカ国内だけでも、ラウンドアップに関連する訴訟件数は1万8000件を超えています。
ラウンドアップの危険性
ラウンドアップを使用する際には、以下の注意点が重要です。
- ラウンドアップの使用時には、防護服、手袋、保護メガネの着用が必須です。
- 風の強い日や雨の日には、使用を避けるべきです。
- 散布後は、子供やペットが立ち入らないように、散布区域を囲ったり、縄などで区切ることが必要です。
このように、ラウンドアップは簡単に使用できるものではありません。当然、製品によって濃度の違いはありますが、それでも環境への影響や人体への危険性が懸念されることは否めません。
まとめ
今回は、ラウンドアップの成分や他の除草剤との違いについて詳細に解説しました。日本国内では農薬としての登録がされていないため、家庭菜園には不向きな製品です。
単なる除草剤として使用を検討する場合には、ラウンドアップを開発したモンサント社の存在を理解し、その上でどうしても使用したいと考える場合は、自己責任で利用することを強く推奨いたします。
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