近年、石油やガスの料金が年々上昇していることを背景に、新築を希望する多くの人たちはオール電化の住宅を選ぶ傾向が顕著になっています。特に、地球温暖化の影響により、夏季には冷房が不可欠な状況になっており、これに対応するために太陽光パネルを導入し、電力を自給自足できるようにしようとする家庭が増加しています。
しかしながら、オール電化住宅にする際にはいくつかの注意事項が存在します。このため、今回はオール電化の家を選択する際に考慮すべきリスクや注意点について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
電気代が高い
オール電化はかつて非常に注目を集めていました。その理由として、ガス料金が徐々に上昇し続ける中で、すべてを電気で賄う方がコスト的に有利であるという意見が広まったからです。しかし、最近では電気代もまた上昇傾向にあり、予想以上の負担を感じる家庭も増えています。
日本国内にはガス資源が限られているため、今後もガス料金が上がり続けることが避けられない状況です。それでも、電気も安定的に供給されるとは限らず、特に火力発電に依存する場合は多くの電力を消費することから、結果的に電気料金が高くなるケースが多々見受けられます。したがって、太陽光パネルを家庭に取り付け、自ら電力を確保しようとする努力がますます求められるかもしれません。
冬寒い?
オール電化の利点の一つは、夏季にエアコンなどの冷房機器を使用できる点です。しかし、冬季の暖房に関しては特に注意が必要です。前述のように、暖房器具として電力を利用する場合、かなりの電力を必要とします。また、部屋全体を効果的に温める能力が乏しいため、特に冬の朝は寒さが厳しく感じられ、最終的には石油ストーブを併用することが一般的になるでしょう。
さらに、寒さは暑さ以上に耐え難いものであり、エアコンで多少の暑さを我慢することはできるものの、冬の寒さに対してはエアコンを使用しても非常に厳しい状況になることが多いです。
料理しづらい
オール電化の家庭では、料理をする際に必然的にIHコンロを使用することになります。しかし、IHコンロの火力に対して不満を感じる人は少なくありません。また、魚を焼くためのグリルが付いていない場合も多く、そのグリルの性能が十分でないとの声もよく聞かれます。
とはいえ、最近ではIH専用の調理器具が進化を遂げており、加熱効率も大幅に向上しています。これらの器具を一から揃えるのは手間がかかりますが、うまく活用することで料理の時間短縮にもつながる可能性があります。
マンションとの違い
マンションと一戸建て住宅には、数多くの違いが存在します。特に、部屋数や機密性に関する違いが大きく、オール電化で必要とされる電力の規模にも影響を与えます。機密性が低い場合、夏の間エアコンが効きにくく、冬には厳しい寒さを感じることがあります。このため、マンションでのオール電化は、電力供給が安定しているため、冷暖房効率も高く維持される傾向があります。
一方で、一戸建ての場合は、その購入に際しては慎重に考慮する必要があり、電気代が予想以上に高くなる可能性もあるため、注意が必要です。
値段が高い
オール電化の一戸建て住宅は、まだあまり普及していないため、価格が比較的高いのが現状です。また、マンションにおいても同様に数が少ないため、選択肢が限られています。購入時には高額である可能性がありますが、長期間使用することを考えれば、効率的に運用できる場合もあります。オール電化の住宅を購入検討している方は、長期的な視点で考えることを強くお勧めします。
また、オール電化のマンションを賃貸する場合は、比較的電気代が安いことが多く、賃貸から始めるのも良い選択肢かもしれません。一方で、一戸建て住宅の場合は、新築であることが多く、入居前にしっかりとリサーチを行うことが重要です。
施工できる業者が少ない
新築を検討する際、施工を行う業者が少ないことも大きなデメリットです。オール電化住宅にするためには、気密性や断熱性を考慮した設計が求められ、電気設備を含む工事も必要となります。そのため、専門業者に依頼することが必須です。
具体的には、設計士、建築会社、電気会社がそれぞれ異なる場合、蓄電池設備に関する不備が発生することもあります。オール電化住宅は、個人で請け負うことが少なく、できるだけ大手の専門業者に依頼する方がトラブルのリスクを減らせます。現在では、選択肢も増えてきているため、モデルハウスを見学することも良いかもしれません。
まとめ
オール電化を上手に活用できなければ、逆に光熱費が高くつく可能性も存在します。しかし、断熱性や気密性をしっかりと確保することができれば、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住環境を実現することが可能です。
ロシア情勢などの影響で、ガスや石油の価格が高騰している現在、ガスストーブを使用しない限りは、オール電化住宅の選択も一つの有効な手段となるでしょう。寒さが厳しい場合には石油ストーブを併用することで、経済的にも大いに助けになる場合もあります。
ただし、後からガスを導入するとなると、大規模な工事が必要となることが多いため、オール電化住宅の建設を検討する際には、十分な情報収集と慎重な判断が求められます。
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