
食材を焼いたり、アウトドアで火を使ったり、さらにはDIY作業の際に役立つ便利な器具としてトーチバーナーがあるのをご存じでしょうか?
このトーチバーナーは、基本的にはカセットボンベに直接接続できる小型の火炎放射器のようなもので、様々な用途に応じて非常に幅広く利用されています。
私自身もDIYでの焦がし加工や料理の際にトーチバーナーを使いたいと考え、さまざまな情報を探ることにしました。
その結果、消防関連機関や官公庁から送られるトーチバーナーに関する事故についての「注意喚起」が非常に多く存在していることに気が付きました。
さらに調査を進める中で、事故の原因が使用方法の誤りによるものなのか、それともトーチバーナー自体に潜む危険性に起因するのかが徐々に明らかになってきました。
結論として、トーチバーナーの構造や目的に対する誤解、または器具の劣化が事故を引き起こす原因であることが判明しました。
そこで今回は、トーチバーナーを安全に使用するための「買ってはいけないトーチバーナー」について詳しくお話しさせていただきます。
トーチバーナーは危険な道具なのか?
「トーチバーナー」「ガスバーナー」「ガストーチ」といった名称はいずれも同じ器具を指しています。
この器具は、薪や炭に火をつけたり、食材を炙ったり、さらにはDIY作業においてはんだを溶かすなど、非常に多岐にわたる使い方が可能で、その便利さは際立っています。
しかし同時に、トーチバーナーは消防関係機関から「火災や事故が増加しています」という警告が多く寄せられている道具でもあります。
正しい使用方法を守らないことや器具の劣化が事故の原因となっているものの、実際に事故が多発しているという事実は否定できません。
トーチバーナーによる事故は大半が「ガス漏れ」と「使用ミス」
最も多い事故の原因は、カセットボンベとトーチバーナーの接続ミスやパッキンの劣化によるガス漏れです。
次に、「傾けたり逆さに使用することが禁止されている」にもかかわらず、逆さにして使用することによる事故が発生しており、東京都内では年間20〜30件の事例が確認されています。
残念ながら、製造会社の情報や型番、説明書が存在しない安価な模造品を使用することも、事故の一因となっています。
本体の信頼性を確認することはもちろん、接続や劣化の状況をこまめにチェックすることが必要であり、「十分に注意して使用すべき道具」であることは間違いありません。
「危険な道具」ではなく、「危険な道具にしてしまう使い方」を避けることが重要なのです。
トーチバーナーの機能や特徴


トーチバーナーの炎の温度は800〜2000度程度まで幅広く変化し、炎の調整によっては1台でこの温度範囲すべてに対応できるタイプも存在します。
また、調理の際には炎の形状や強さを微調整するために「空気調節機能」が必要不可欠です。
さらに、焚火の着火やDIY作業の利便性を考慮すると、「逆さ使用機能」が求められることもあります。
燃料としては、一般的なカセットボンベであるCD缶や、屋外用のOD缶、またはガスを本体に充填するタイプなどが利用されます。
トーチバーナーの主な機能
火力調節機能
これはどのタイプにも基本的に備わっている機能で、火力を「ガス量で調整」することが可能です。
この調整幅が広ければ、弱火にしても消えにくく、調整が必要な料理に非常に役立ちます。
空気調節機能
この機能は、炎の形状と火力を「空気量で調節」するもので、ガス量を一定に保ちながら炎を微調整できるため、調理用にはぜひ必要な機能です。
点火装置
スイッチやトリガーの形状によって、押したり引いたりするだけで簡単に点火できる機能を指します。
この装置がなければ、ライターなどを使用して点火する必要があり、小さなお子様や火に不安を感じる方が使用する際には必須の機能と言えるでしょう。
トーチバーナーの便利な機能

転倒防止プレート
トーチバーナーの転倒を防ぐために、カセットボンベや充填式トーチバーナーの底に取り付けるプレートがあります。
使用後、バーナー部が非常に高温になるため、バーナー部と接触すると焦げたり溶けたりする危険性が伴います。
もちろん、人体に当たると火傷の原因にもなるため、細心の注意を払う必要があります。
転倒防止対策として、「転倒防止プレート」が付いている製品を選ぶことで、より安心して使用することができます。
逆さ使用機能
トーチバーナーは立てて使用することが前提となっているため、傾けたり逆さにしたりすると液体のガスが噴出するなど非常に危険です。
しかし、「逆さ使用機能」が備わっているものは、逆さにしても安全に使用できるため非常に安心です。
この機能には2種類あり、「瞬間気化方式」と「プレヒート方式」があります。
「瞬間気化方式」は、ガスが液体のまま噴出しないため、点火直後でも逆さ使用が可能です。
一方、「プレヒート機能」は、しばらく炎を出して器具が温まってから使用する必要があり、注意が必要です。
また、製品によっては「使用可能時間」と「1回あたりの燃焼可能時間」が設定されているものもあり、使用可能時間は基本的にガスが切れるまでの時間を指し、1回あたりの燃焼時間は連続して炎を出せる時間を示します。
「使用可能時間」はカセットボンベ(CB缶)利用時で1〜2時間程度が一般的で、連続使用は数十秒から長くて数分のものが多いです。
長い火口のタイプ
ほとんどのトーチバーナーは、ノズルが約10cm程度の短さです。
言い換えれば、火を点けたい対象や炙りたい食材・材料に非常に近い距離で使用することになります。
ノズルが長いタイプであれば、焚火のように組み上げた材木の中心部で着火できることもあり、安全で便利です。
トーチバーナーを安全に使うために = 用途に合ったタイプの選定
安全に使用するためには、どの用途にどのタイプが適しているのかを事前に確かめることが非常に重要です。
例えば、手間をかけずにたき火に点火するためには、1200〜1300度以上の温度が必要とされています。
また、調理の際には微妙な火力調節が求められることが多く、用途に応じたスペックを把握することが極めて重要です。
用途に合わせたトーチバーナーのタイプ・スペック

調理向けのトーチバーナーでは、焦げ目をつけたり表面を温めたりと、料理によって求められる火力が異なるため、幅広い火力調節と取り扱いやすさを兼ね備えたコンパクトなデザインが重要です。
使い勝手としては、カセットコンロと併用が可能なカセットボンベ(CB缶)タイプや小型の充填タイプがおすすめです。
特に推奨したい機能は、火力と空気の両調節機能です。炎の形状も、鋭い細火や柔らかい太火を選んで使用できるのが理想です。

アウトドア(火起こし等)向けのトーチバーナーでは、着火を迅速に行うために高火力(1200度〜1300度以上)が推奨されます。
屋外での使用を考慮すると、ガス容量が大きく、寒さにも強い上に、ランタンやストーブにも使用できるOD缶タイプが特におすすめです。
ただし、一般的なカセットボンベ(CB缶)でも、低温対応の製品があれば問題なく使用可能です。
DIY向けのトーチバーナーでは、配管へのはんだ付けや焦がし処理などに頻繁に使用されます。
作業をスムーズに進めるためには、さまざまな方向から炎を当てられる「逆さ使用機能」が非常に便利です。
また、一般的に火力が強く、接続が強固な「ねじ込み式カセットボンベ」タイプが安心して使用できるでしょう。
まとめ

トーチバーナーは、かつてはプロの職人たちに愛用されていた道具でしたが、現在では一般の人々にも広く使用されるようになりました。
この普及により、一般の方々でもプロ並みの作業や調理ができるようになり、その便利さが大いに増しています。
しかし、この便利さの裏には危険性も潜んでいるため、製品の選定から保管に至るまで慎重に取り扱うことが不可欠です。
ここで「買ってはいけないトーチバーナー」をまとめますと
最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
トーチバーナーは非常に便利な道具ですが、完全に冷める前に片づけてしまうと火傷を負ったり、器具が溶けたりする危険があります。
用途に合ったタイプを選ぶことを心がけ、安全な使用を心がけていただければと思います。



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