最近、スーパーの棚に並ぶ醤油はどれも非常にリーズナブルで、家計にとっても大助かりですね。
1リットルあたり200円以下の製品も見かけることが増えています。
しかし、なぜここまで安いのでしょうか?
同じ棚には、価格が5倍ほどする高級な醤油も並んでいます。
安価な醤油と高価な醤油の違いは一体何なのでしょうか?
実は、安い醤油と高い醤油は使用されている原材料や製造方法が異なるため、ある意味全く別物なのです。
同じ「醤油」というカテゴリーで販売されているにもかかわらず…。
さらに、安い醤油には安さに見合った理由があるのです。
中には避けるべき製品も存在します。
安さに飛びつく前に、その危険性について考えてみましょう。
そもそも醤油とは?
私たちが日常的に使用している醤油ですが、実際にはどのように製造されているのでしょうか?
醤油の主成分は大豆であることはご存知ですよね。また、他には小麦や塩も主要な原材料です。
これらの原材料は、微生物の力を借りて2〜3年という長い時間をかけてじっくりと熟成されていきます。
製造工程を簡潔に説明すると、以下のようになります。
①原材料の下処理
②麹造り
③発酵・熟成
④圧搾
⑤火入れ
⑥瓶詰め
それぞれの工程には、日数や月数、時には年単位の時間と手間がかかるため、本来は高級品として扱われていました。
では、スーパーで手軽に手に入るあの醤油は、なぜこんなにも安いのでしょうか?
安い醤油とは?
驚くほど安価な醤油ですが、購入する際には裏面のラベルをしっかりチェックしてみてください。
特に注目すべきは原材料名です。
例えば、このような内容が書かれていることがあります。
脱脂加工大豆(遺伝子組換えでない)、小麦、食塩、アルコール
脱脂加工大豆とは一体何なのでしょうか?
そう思う方も多いはずです。この脱脂加工大豆が、安価な醤油の秘密なのです。
脱脂加工大豆とは、言い換えれば大豆から油を絞り取った後の残りの部分です。
大豆から不要な油を取り除き、平たく潰すことで、たんぱく質の純度が高い大豆フレークを生成し、効率的に醤油を作ることが可能になります。
ここで注意が必要なのは、
・脱脂加工大豆の加工方法
・原料となる大豆の品質
です。
脱脂加工大豆は、油を搾った後の大豆ですが、単純に砕いたり搾ったりするだけでは十分に油を取り除くことができません。
そのため、ヘキサンという溶剤が使用されます。
ヘキサンはガソリンに多く含まれる石油由来の成分であり、このヘキサンを使って油を溶かすことで、大豆から油を効率的に除去することが可能となります。
ヘキサンは加熱すると蒸発しやすいため、最終的にはほとんど残らないとされていますが、
それでも、食材の加工に毒性のある石油製品を使うのは果たして良いことなのでしょうか?
また、使用される大豆は主にアメリカなどの海外産です。
海外で油を搾られた大豆が、脱脂加工大豆として輸入されてくるため、
つまり、どのように育てられ、加工されたのかが全く不明なものとなっています。
添加物たっぷりの醤油?
【原材料名】アミノ酸液、脱脂加工大豆、小麦、食塩、糖類(砂糖・ぶどう糖果糖液糖)、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料(甘草、ステビア、サッカリンNa)、保存料
こちらは、ある醤油のラベルに記載されている内容です。
【名称】は、こいくちしょうゆ(混合)となっていました。
しかし、この情報だけでは何の商品か全く把握できないし、食品添加物が多く含まれているため、購入する気が起きないと感じる方も多いでしょう。
それでも、実際には手頃な価格で美味しい醤油として販売されています。
醤油に限ったことではありませんが、食品添加物には様々な懸念があります。
アミノ酸液
これは食品添加物には分類されませんが、大豆やサトウキビ、小麦グルテンなどのたんぱく質原料を酸分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したものです。
海外で大量生産されているため、非常に安価ですが、含まれている成分は不明です。
ぶどう糖果糖液糖
これは、トウモロコシなどから人工的に取り出されたデンプンを元にしたもので、異性化糖の一種です。
砂糖よりも血糖値を急激に上昇させやすく、過剰摂取すると糖尿病や心臓病のリスクを高める可能性があります。
調味料(アミノ酸等)
主成分はグルタミン酸ナトリウムです。
グルタミン酸ナトリウムを加熱すると発がん性物質が生成される可能性があるという研究も存在します。
カラメル色素
カラメル色素は4つのタイプに分類され、このうちカラメルⅢ・Ⅳには発がん性物質が含まれているとの報告があります。
現在、日本で使用されているカラメル色素のほとんどがこのⅢ・Ⅳに該当しています。
甘味料
特にサッカリンは発がん性の可能性が指摘されています。
これらの成分は、いくら少量であっても、毎日の料理に使う調味料としては適切ではありませんよね。
さらに、これらの添加物が複合的にどのように影響し合うのかは、現時点で全くわかっていないのです。
安全な醤油とは?
毎日使用するものだからこそ、せっかくなら美味しくて安全な醤油を選びたいですよね。
美味しくて安全な醤油を選ぶ際のポイントは3つあります。
・原材料が丸大豆、小麦、塩のみ(国産100%)
・本醸造または天然醸造であること
・化学調味料やアルコールを含まないこと
これら3つのポイントを押さえておくことで、微生物の自然の力を借りて作られた、安心で栄養価の高い美味しい醤油を手に入れることができます。
残念なことに、こうした醤油は価格が少々高くなる傾向があります。
しかし、特別に高級なものを選ぶ必要はなく、1,000円以内で十分に購入できるものも多く存在します。
逆に、非常に高価であっても添加物が多く含まれる醤油も存在します。
そのため、選ぶ際には価格よりも原材料と製造方法に注目してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本の食卓には欠かせない調味料である醤油。
毎日使用するものであるからこそ、美味しくて安心できるものを選ぶことが大切です。
一度に使用する量は少なく、少しこだわって選んでも家計に大きな影響を与えることはないでしょう。
ぜひ、試してみてください。
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