分譲マンションを購入する際に、自動車を所有している場合、駐車場の有無は決定的な要素の一つとなります。
多くのマンションには駐車場が備わっていますが、すべての住戸に対して十分な数が確保されているわけではありません。特に、都市の中心部においては、駐車場が設けられていないマンションも多く見受けられます。
また、たとえ全戸数に対して駐車場が用意されていたとしても、1世帯につき1台までといった制限が設けられている場合もありますので、その点にも留意する必要があります。
さらに、自動車を持たない方でも注意しておくべきポイントがあります。それは、機械式立体駐車場の存在です。
なぜこの事項が重要なのか、詳しく解説していきます。今回は分譲マンションにおける駐車場の種類やそれぞれの特徴について詳しくお伝えいたします。
分譲マンションの駐車場の種類
分譲マンションの駐車場は、主に以下の3つのタイプに分類されます。
・平置き駐車場
・自走式立体駐車場
・機械式立体駐車場
平置き駐車場
平置き駐車場は、最も一般的に見受けられる駐車場の形態です。マンションの敷地内に舗装された専用エリアがあり、これを平面駐車場とも呼ぶことがあります。
平置き駐車場の利点
・車の出入りが非常に容易で、手間がかからない。
・車高や車幅に関する制限が少なく、多様な車種を選ぶことができる。
平置き駐車場の欠点
・敷地面積が限られている場合、駐車可能な台数が減少する。
・悪天候の影響を受けやすく、風雨にさらされる可能性がある。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場は、地下や別の建物に設けられたスロープを通じて、自分で車を運転し、指定された駐車スペースに停める形式の駐車場です。
自走式立体駐車場の利点
・自走式なので、車の出入りがスムーズで簡単に行える。
・多くの自走式立体駐車場には屋根が設けられているため、雨風から車を保護し、汚れにくい。
・平置き駐車場と比べて、より多くの駐車台数を確保できる。
自走式立体駐車場の欠点
・スロープが必要なため、ある程度の広さを確保する必要がある。
・屋根付きの場合、車高の高い車には注意が必要になる。
機械式立体駐車場
機械式立体駐車場は、車を出し入れする際に昇降装置を利用する駐車場です。地上二段式、ピット二段式、昇降式など多様な形式がありますが、分譲マンションでは地上二段式やピット二段式が一般的に利用されています。
機械式立体駐車場の利点
・平置き駐車場とほぼ同じスペースで、より多くの車を駐車できる。
・駐車場所にもよりますが、盗難や車上荒らしのリスクが低減される。
機械式立体駐車場の欠点
・車を出し入れする際に機械を使用するため、時間がかかることがある。
・自然災害が発生した際に停電が起こると、車の出し入れができなくなる。
・車高や車幅に関する制約が存在する。
・維持管理にかかるコストが高くなる。
マンションの費用
ここでは、マンションに居住する際に発生する費用について詳しくご説明いたします。
マンションの駐車場を利用する場合、月々支払わなければならない費用は以下の項目が含まれます。
・管理費
・修繕積立金
・駐車場代
管理費は、マンションの共用部分を日常的に維持・管理するための費用です。具体的な内容としては、マンション内の清掃業務、掃除用具の購入代、電球や消火器などの備品購入、さらには防犯カメラのレンタル料金などが含まれます。
次に、修繕積立金についてご説明します。マンションは時間が経つにつれて徐々に老朽化が進むため、定期的に大規模な修繕作業が求められます。
修繕積立金は、主に大規模修繕時に使用するための資金であり、エントランスや外壁、廊下、エレベーターの修繕や、共用部分のリフォーム、さらには耐震工事などにも使われます。これらの作業は長期的な修繕計画に基づいて進められます。
また、修繕積立金が十分に集まっていない場合には、大規模修繕を行う際に資金が不足し、一時金を徴収せざるを得ない可能性もあるため、注意が必要です。
機械式立体駐車場の問題点
ここからは、機械式立体駐車場に関連する問題点について詳しく探っていきます。
機械式立体駐車場は、その維持コストが高額になることが多いです。維持コストには、以下の3つの項目が含まれます。
・通常のメンテナンスコスト
・耐用年数が来た際の設備交換コスト
・故障時の修繕コスト
機械式立体駐車場は、平置き式や自走式立体駐車場と比較して、機械を使用して車を上下させるため、その維持・管理は特に重要です。これを怠ると、重大な事故が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
通常のメンテナンスにかかるコストは、基本的に駐車場代から賄われることが多く、自動車を持っていない住民にはあまり関係のない問題となることが一般的です。
問題となるのは、耐用年数が到来した際の設備交換にかかる費用です。機械式立体駐車場の設備は、一度設置すれば永久に使用できるわけではありません。マンションと同様に、大規模な更新作業が必要になることが多いです。
この場合、その費用は修繕積立金から捻出されることになります。
つまり、自動車を所有しているかどうかに関わらず、駐車場に関する費用を支払う必要があるということです。
その費用の程度については、マンションの規模や住居の面積によって異なりますが、国土交通省が作成した積立修繕金の一例によると、月額でプラス5,000円程度が必要とされています。
これらの点を考慮すると、自動車を所有していない方は、機械式立体駐車場のあるマンションを購入することは避けるべきです。また、自動車を所有している方も、駐車場の空き状況を考慮しつつ、可能であれば平置き駐車場や自走式立体駐車場のあるマンションを選ぶことを強くお勧めいたします。
まとめ
今回は、機械式立体駐車場を備えたマンションの特性について深く考察しました。
機械式立体駐車場のあるマンションでは、駐車場の更新にかかる費用が修繕積立金に影響を与えます。たとえ駐車場を利用していなくても、その負担を支払う必要があることを常に念頭に置くことが重要です。そのため、この点も考慮しながらマンション選びを進めることが非常に大切です。
もちろん、検討すべき項目はこれだけではなく、立地や間取りなどの条件も重要な要素となります。お気に入りの条件に合った素敵な物件に出会えることを心より願っています。
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