安易に買ってはいけないキャンプギア~キャンプ沼の世界へようこそ~シングルバーナー編

アウトドアの象徴とも言えるキャンプは、日常生活から離れ、広大な自然の中で心ゆくまで楽しむことができる貴重な体験です。限られた環境の中で料理をし、青空の下で乾杯を交わす瞬間は、都会では味わえない特別なものとなります。そんな静けさと美しさに心を奪われることも多いでしょう。

キャンプの魅力は語り始めると、あっという間に時間が過ぎ去ってしまうほどです。この世界には、多くの楽しみと驚きが詰まっています。

今回は、美味しいキャンプ飯を作る際に欠かせない道具であるバーナーについてお話ししていきます。

これからキャンプを始めようと考えている方も少なくないでしょう。その中で、「キャンプにバーナーは本当に必要なのか?炭を使ってバーベキューをするのが普通ではないのか?」という疑問を抱いている方もいるかもしれません。焚火を使って飯盒炊爨(はんごうすいさん)を行うのも良いアイデアですが、やはりバーナーは特に初心者キャンパーにとっては非常に重要なアイテムだと考えられます。

バーナーの種類—ツーバーナーとシングルバーナー


ツーバーナーとは、アウトドアで利用される二口のコンロのことを指します。これを使用することで、まるで家庭のキッチンにいるかのように、多種多様な料理を楽しむことができるのです。ファミリーキャンプやグループキャンプなど、大勢で食事を共にする際には特に重宝するアイテムです。ただし、ツーバーナーはそのサイズのため、コンパクトに収納することが難しいというデメリットも存在します。

一方で、シングルバーナーは一口のコンロであり、非常にコンパクトに収納できるのが魅力です。屋外で手軽に火を起こせるため、キャンプだけでなく登山などでも頻繁に使用されています。また、さまざまな種類が存在し、火力やコンパクトさ、軽量性、安定性など多くの要素を考慮する必要があります。そのため、どのシングルバーナーを選ぶか迷うこともあるでしょう。

さて、ツーバーナーとシングルバーナーのどちらを選ぶべきか、一緒に考えてみましょう。単純に、ファミリーやグループキャンプではツーバーナー、ソロキャンプではシングルバーナーという考え方が一般的ですが、実際にはそれだけではありません。

ツーバーナーは本当に必要?

ツーバーナーを使用すれば、自宅のキッチンのように本格的な料理が可能になります。私自身、キャンプを始めた当初の3年間は必ずツーバーナーを持参していました。当時、我が家は夫と子供二人の4人家族で、バンタイプのファミリーカーを利用していたため、車に積むスペースにも余裕がありました。

しかし、3人目の子どもが誕生すると、オムツや着替え、ベビーカーなどの持ち物が急増しました。その結果、持っていくリストから最初に外れたのが、かさばるツーバーナーでした。「家で使っているカセットコンロで十分では?」と考え、それ以降の3年間、我が家のツーバーナーはファミリーキャンプの場に連れて行かれることがありませんでした。それでも、グループキャンプの際には今でも大いに活躍しています。

シングルバーナーは本当に必要?

結論から言うと、私はシングルバーナーを必須アイテムだと考えています。3人目の誕生に伴い荷物が増え、ツーバーナーの代わりに家庭用のカセットコンロを持って行くようになった一方で、シングルバーナーは必要不可欠であると感じています。

ただし、家庭用のカセットコンロは風対策が施されていないため、風が強い日には火が消えてしまうこともあります。そこで、シングルバーナーを購入することにしたのですが、これがキャンプ沼に足を踏み入れるきっかけとなりました。

シングルバーナーの種類について

アウトドア用のシングルバーナーには、多くの種類があります。まずは、使用する燃料の違いを見てみましょう。

CB缶


これは家庭用カセットコンロで使用されるカセットガスボンベです。家庭で使っているものをそのまま利用できるため、扱いやすく、コンビニなどでも簡単に手に入れることができます。しかし、気温が低くなると火力が落ちるという欠点もあるため、冬キャンプを考える際には、アウトドアショップで販売されている寒冷地用のカセットガスを使用するのが良いでしょう。

OD缶


こちらはアウトドア専用のガスカートリッジです。火力が強く、寒冷地でも安定した火力を発揮するため、特に登山などでの使用にはこちらの方が優れています。ただし、OD缶はアウトドアショップで購入する必要があり、CB缶に比べて価格が高くなる傾向があります。

ホワイトガソリン


ホワイトガソリンを燃料とするバーナーも存在します。寒冷地でも安定した火力を保ち、燃料も比較的安価で手に入ります。そのため、古くからのキャンパーや登山家に愛用されていますが、「ポンピング」という加圧作業が必要なため、少し手間がかかる点が特徴です。

アルコールストーブ・固形燃料ストーブ


バーナーではありませんが、アルコールや固形燃料を使うストーブも存在します。これらは非常に携帯性が高く、構造もシンプルなため、壊れることがほとんどありません。ただし、火力が弱く、火力の調整が難しいため、料理にはあまり適していないかもしれません。

最近、私はアルコールストーブのバーナーを購入しました。アルコールストーブの無骨さやシンプルさに魅了されてしまい、すでにシングルバーナーを所有しているにもかかわらず、思わず手を出してしまったのです。

カセットガスボンベで手軽に使えるシングルバーナーで多彩な料理を楽しむこともあれば、アルコールストーブの優しい炎を眺めながらシンプルな料理を堪能することもあります。ギアを変更することで、まったく異なる自然の表情を楽しむことができるのです。それを実感したいからこそ、キャンプ沼にはまってしまうのです。

私たち人間は、常に便利なものに囲まれて生活しています。快適に過ごせるように、電化製品や最新の技術に頼って環境を整えているのです。しかし、その反面、ちょっとした不便さに敏感になり、イライラしてしまうこともあります。たとえば、テレビをつけようとしてリモコンが見つからなかったり、炊飯器のタイマー設定を間違えてしまったりするような些細なことが、ストレスの原因になることも少なくありません。

しかし、キャンプではテレビもなく、炊飯器がご飯を炊くこともありません。自分自身がその環境に適応し、工夫を凝らすことができるのがキャンプの魅力なのです。そして、その不便さを体験することによって、日常生活で当たり前に享受している便利さへの感謝の気持ちが芽生えるのかもしれませんね。

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