仕事における過ちや、お子さん同士のトラブルが生じた際には、相手に対して誠心誠意のお詫びをする必要が生じることが少なくありません。
その際、菓子折を持参するのが一般的なマナーとされていますが、謝罪の場面では持参する品物が非常に重要な意味を持ちます。
お詫びの言葉を口にするのはもちろんのことですが、形として気持ちを示すことで、相手に対する誠意がよりしっかりと伝わると言われています。
さまざまな贈り物の中で菓子折が選ばれる理由の一つは、「お菓子がその場の雰囲気を和らげる」という点にあります。
このように、大切なお詫びの場に持参する菓子折の選び方や、渡す際のマナーについて、詳しく解説いたします。
お詫びの席に持参する菓子折のマナー

「お詫びの気持ちを形にするために実用品でも良いのではないか」と考える方もいるかもしれませんが、受け取った側が手元に残る品物は、その品物を見るたびに思い出してしまうという懸念が生じます。
このような理由から、「消えもの」とされる菓子折は、お詫びの際に持参する品物として非常に適していると考えられています。
そこで、菓子折の予算や渡すタイミング、さらにマナーについて詳しくご紹介いたします。
予算はどのくらいなのか?
お詫びの際に持参する菓子折の一般的な予算は3,000円から10,000円程度とされています。
また、お詫びをする場面によって、その予算は少し変わることもあります。
例えば、「自転車運転中に相手にけがをさせてしまった」というケースでは、5,000円から10,000円程度のやや高めの予算が望ましいとされています。
ビジネスの場面では、軽微なミスの場合は3,000円程度、重要なミスの場合は5,000円程度が相応しいとされています。
また、高額すぎる菓子折を持参すると、「物で解決しようとしている」と受け取られ、相手の気分を害する可能性もあるため、注意が必要です。
菓子折の包装・かけ紙は?
謝罪の際に持参する菓子折の包装は、派手なものは避けるべきで、パッケージもシンプルなデザインのものが適しています。
購入時に店員さんに「御詫びの品」と伝えれば、その品物に合った包装を提案してくれることが多いので、ぜひそのサービスを利用してみてください。
また、かけ紙が必要ないと言われることもありますが、かけ紙を付ける際には、熨斗(のし)のない紅白の結び切りのものを使用するのがマナーとされています。
表書きには「御詫び」や「深謝」など、状況に応じた適切な言葉を記載することが重要です。
注意すべき点として、熨斗はお祝いの際に使用するものであるため、蝶結びの水引は、何度でも良いことに使う水引であるため謝罪には不向きです。
お詫びの時に持参する相応しい菓子折と渡し方

お詫びの際に持参する菓子折は、豪華なものを避け、控えめで定番のものが最適です。
そして、シーンに応じて選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 事態を重く受け止めていることが伝わる、ゼリーや羊羹などの重みのある菓子折
- 控えめで格式の高い、老舗や有名店のカステラなど
- 相手の負担になりにくいクッキーやフィナンシェなどの焼き菓子
そこで、おすすめの菓子折をいくつかご紹介いたします。
重みのある羊羹
お詫びの気持ちをしっかりと表現するための重みのある菓子折は、上品で食べやすいことも大切なポイントです。
そこでおすすめなのは、老舗で人気のひとくち羊羹の詰め合わせです。
こちらの羊羹はしっかりとした重みがあり、味わいも素晴らしく、パッケージも落ち着いた印象を与えます。
格式の高いカステラ
相手の好みがわからない場合には、世代を問わず好まれるカステラが非常におすすめです。
重みも申し分なく、木箱に入ったカステラは格式の高さを感じさせる一品です。

相手が受け取りやすい焼き菓子
謝罪の際に持参する菓子折は、相手に気負いせずに受け取ってもらえるものや、食べる際に相手に手間を取らせないことが非常に重要です。
そのため、個包装されたクッキーや焼き菓子の詰め合わせが選ばれることが多いです。

菓子折の渡し方
お詫びの気持ちを形にし、その場の雰囲気を和らげる役割を持つ菓子折ですが、渡す際のマナーも非常に重要ですので、事前に確認しておくことが安心につながります。
菓子折を渡すタイミング
お詫びの際の菓子折を渡す理想的なタイミングは、話が終わった帰り際に渡すのが望ましいです。
相手が「菓子折を受け取る」ということは、同時に「謝罪を受け入れる」という意味合いを持ちます。
もしも謝罪の前に菓子折を渡してしまうと、謝罪の前に許しを請う形になり、順番が逆になってしまうので注意が必要です。
袋に入れたままで渡さない
菓子折を持参する際は、紙袋などに入れて持って行くことが一般的ですが、手提げ袋に入れたまま渡すのではなく、渡す際には一度袋から出し、箱のデザインが相手に見えるように正面を向けて渡すことが重要です。
ただし、屋外で渡す場合や相手が持ち帰る場合には、手提げ袋があった方が持ち帰りやすくなるため、「袋のまま失礼いたします」と一言添えて渡すのが望ましいでしょう。
添える言葉は 謙虚になりすぎない
菓子折を渡す際には、「つまらない物ですが」などの謙虚すぎる表現は避けるべきです。
実際にはつまらない物ではなく、謙虚な思いを込めた言葉であることは理解されるかもしれませんが、その姿勢が失礼にあたるとされているため、注意が必要です。
まとめ
お詫びの際に持参する品物を選ぶ際には、避けるべきものとして華美なものや、手元に残る品物が挙げられます。
選ぶ品物は、重みのあるものや、相手が気負いせずに受け取れるもので、手間を取らせないような菓子折が謝罪のシーンに適しているとされています。
謝罪の際には、菓子折を渡すタイミングなどをしっかり把握し、心からの謝罪の意をお相手に伝えるためには、細やかな配慮が欠かせません。
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