昨今、シェアハウスの利用が増加していることをご存知でしょうか。これからシェアハウスを検討し始める方々にお伝えしたいのは、シェアハウスの魅力的なメリットだけでなく、デメリットについてもしっかりと考慮しているかどうかという点です。
シェアハウスは、一般的に低い家賃で光熱費が含まれており、敷金や礼金が不要という非常に魅力的な特徴があります。さらに、家具や家電、生活用品がすでに揃っているため、引っ越しも比較的スムーズに行える点が特長です。また、同居する住人との交流を通じて新たな価値観に触れることができ、意外な出会いが待っていることもあります。
しかし、本当にそのようなメリットばかりの生活が待っているのでしょうか。筆者自身、複数のシェアハウスに住んだ経験を持っており、その実体験を元にシェアハウスのデメリットについて詳しく考察してみたいと思います。
共用スペースを自由に使えない
シェアハウスの規模によって異なるものの、キッチンや洗濯機、乾燥機といった共用スペースの利用は、同時に使える人数に制限があります。さらに、シャワールームも同様に、特定の時間帯では混雑することがあるため、スムーズに使えないことが多く見受けられます。
自分の思い通りのタイミングで利用できないことが頻繁にあるのです。たとえば、21時からのドラマを見たいと思っていても、その時間に他の住人が利用している場合、頭の中でスケジュールを組んでいても実際にはその通りに事が進まないことが多々あります。このような状況が続くと、ストレスが蓄積されることもあるでしょう。
共用スペースが不衛生
自分の部屋ではないからといって、キッチンに生ゴミを放置したり、汚れたテーブルをそのままにする人も少なくありません。ゴミの出所がわからず、誰が汚したのかもわからない状況が頻繁に発生することがあります。
トイレの汚れや詰まり、さらにはシャワールームの髪の毛の詰まりも日常的に発生する可能性があります。清掃が行き届いていないシェアハウスを避けるためには、少なくとも管理会社が清掃業者に定期的な掃除を委託している物件を選ぶことを強くお勧めします。
物の持ち運びが必要
基本的に水回りは共用スペースであるため、洗濯やシャワー、歯磨きなど、各自が必要な物を持ち運ぶ必要があります。一人暮らしであれば、洗濯機の近くに洗剤を置いたり、シャンプーやボディーソープをお風呂場に、歯ブラシや歯磨き粉を洗面台に置いておくことができますが、シェアハウスではそのような自由はありません。
必要なものを常に持ち運ぶ必要があるため、トイレにペーパータオルがない場合には、毎回ハンカチやタオルを持参しなければならないこともあり、意外と面倒な作業となることがあります。個室に洗面台がある場合は状況が少し変わりますが、家賃とのトレードオフを考える必要が出てきます。筆者としては洗面台が付いている個室をお勧めしますが、それでも生活にはやはり不自由さが残ることは否めません。
毎日このような生活を送ることを想像してみてください。
他の住人と生活時間が合わない
この点も十分に考慮する必要があります。朝早く起きる人、夜型の人、さらには夜勤の人など、生活リズムが異なることは非常に多くあります。そのため、アラームの音やYoutubeの音量、木造の建物であれば扉の開閉音まで気を使わなければならない場面が出てくることがあります。
共用スペースでも同様のことが言えます。洗濯機を利用する時間やシャワーを浴びる時間が他の住人にとって騒音になる可能性もあるため、注意が必要です。
シェアハウスの規模や構造によっても異なるものの、一人暮らしでは気にする必要がなかったことを考慮しなければならないことは確かです。個人的には、睡眠が妨げられることが最も気にかかりました。就寝後に、酔っ払って帰ってきた人が大声で歌を歌ったり、オンラインゲームで大きな声で会話をしている光景は、耳栓が必需品になってしまうほどでした。
他の住人とのトラブル
異なるバックグラウンドを持つ人々が同じ屋根の下で生活する以上、トラブルが発生するのは避けられないことです。学校や職場での人間関係の悩みがあるように、シェアハウスでも近い距離感での摩擦が生じるのは当然のことです。
騒音やゴミの放置、電気の消し忘れや食器の洗い残しなど、些細なことが原因で問題が生まれることもあります。
古参の住人の意見が強く、その住人が常に使う共用スペースのソファが使いにくくなったり、冷蔵庫のスペースを気を使って使わなければならないことも、シェアハウスならではの悩みです。自分が当たり前だと思っていることが、他の人にとっては全くの異なる常識であることも多く、その点には特に注意が必要です。
盗難の危険性
まさかと思われるかもしれませんが、実際に起こり得る話です。共同生活を続けていると、住人の行動パターンが見えてくることがあります。例えば、土日休みのデスクワーカーは平日日中はほとんど不在です。朝出社する姿を見かければ、その日は夕方まで戻らないでしょう。
残念ながら、モラルの低い人々も一定数存在するため、物がなくなるという話も少なくありません。個室に鍵がないシェアハウスは絶対に選ぶべきではありません。管理会社は何の手助けもしてくれず、最終的には自己責任となります。
まとめ
いかがでしょうか?全体的にネガティブな情報に偏ってしまったかもしれませんが、シェアハウスには楽しそうな一面だけでなく、現実的な側面も存在することをお伝えしたかったのです。
もちろん、シェアハウスを利用する人の性格によっても状況は異なります。自分のペースを重視し、他人の目をあまり気にしない方には、本記事に記載したようなデメリットはあまり当てはまらないかもしれません。
固定費を削減できるという点や、日用品や生活用品の購入を減らせる点も魅力的です。また、大型家電も基本的には不要で、身軽な生活を送ることができます。
このようなメリットも考慮しつつ、自身の性格と照らし合わせながら、慎重に判断されることをお勧めいたします。複数の物件を内覧し、管理会社に対する質問リストを準備し、自分が妥協できるポイントと妥協できないポイントを明確にしておくことが重要です。
この記事が、シェアハウス選びの一助となれば幸いです。
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