買ってはいけないマイホーム~空き家問題の現実~

日本では、新築住宅が特に人気を集めている傾向があります。
しかしながら、新築住宅は購入したその瞬間から資産価値が減少し始めます。特に戸建て住宅の場合、価値を維持できる期間は概ね30年程度とされており、40年が経過すると廃屋同然になる場合もあると考えられています。
例えば、アメリカなどの海外では、築100年以上の古い家が適切に管理されながら利用され、逆にその資産価値が向上することもあると言われています。
このように、住宅の建築様式や構造が大きく異なるためでしょうか。
最近では、「日本の家」が様々な理由で手放されるケースが増え、中古住宅が増加した結果として「空き家」の問題が一層深刻になっています。

マイホームという言葉

日本は第二次世界大戦の結果、国土が焼け野原になり、食糧難だけでなく住宅難にも直面しました。

戦後5年目に起こった朝鮮戦争をきっかけに、国内の工業が復興し、高度経済成長の時代に突入しました。

この経済成長に伴い地価が上昇し、多くの人々が都市部へと移住した結果、住宅の供給が需要に追いつかなくなりました。

そのため、住宅建設が活発化しましたが、一般の労働者は住宅を購入するための資金を持ち合わせていなかったため、ローンを提供する仕組みが誕生しました。

こうして、マイホーム取得のためのシステムが確立されたのです。

マイホーム購入に関する仕組みは、行政によって整備されてきました。

「夢のマイホーム」というフレーズが使われることがありますが、時代が多様化している現代においても、新築一戸建ての住宅が今なお人気を集め続けている理由は何でしょうか?

最近の調査によると、マイホームを購入したいと考えている人は50%以下であり、一方で生涯賃貸を希望する人が35%から40%に達しているという結果が出ています。必要がなかったり、何らかの事情で購入できない人も約10%いるとのことです。

賃貸住宅に居住している人の半数は、今後マイホームを購入する予定がないことが明らかになりました。

都市部と地方では状況が異なるかもしれませんが、それでも戦後から続く「マイホーム神話」は徐々に変化しているようです。

マイホームのメリットとデメリット

住宅そのものが資産として機能し、自由にリフォームが可能である。
社会的な信用を得る手段となる。
税金やメンテナンスなどの支出が発生する。
簡単に引っ越しを考えることが難しい。

賃貸住宅のメリットとデメリット

税負担がなく、修繕費用は大家が負担する。
家族の人数に応じた住み替えが容易にできる。
個人資産としては蓄積されない。
自由にリフォームを行うことができない。
老後も家賃や更新料を支払い続ける必要がある。
どちらが優れているかは一概には言えません。
賃貸の場合、家賃を支払い続けても自身の資産として残らないため、無駄に感じることがあるかもしれません。
確かに「マイホーム」とは「自分の家」を意味し、賃貸は借り物であるという点は明確です。
しかし、人間の一生を考えると、果たしてマイホームが子孫にとって本当に財産となるかは疑問です。
子育ての期間中は、子供の人数に応じて個室が必要な時期が約10~15年ほどですが、その後、子供たちが独立して親元を離れると、個室は空き部屋になることがあります。
家族が多かった頃には狭く感じた家も、子供たちが巣立つと広く感じるようになり、その分掃除や管理が余分な負担となることもあります。
老後を迎えた際に、果たしてマイホームがいつまで住み続けられるのかは不透明ですが、その後の住宅の管理や整理は子供世代に引き継がれることでしょう。
その際に空き家問題が発生する可能性が高まります。

空き家とは

国土交通省の定義によれば、空き家とは「1年以上誰も住んでいない、または使用されていない住宅」のことを指します。

空き家ができる原因

少子高齢化

高齢化が進む中、年齢が上がるにつれて入院や施設入居によって持ち家に住まない人が増加しています。
相続問題
親元を離れて別の世帯を持つ子供が親の住宅を相続しても、そこに住むことはあまりないため、解体されずに放置されることが多くなっています。
固定資産税対策
建物を取り壊して更地にすると、以前の住宅に対する優遇措置の対象から外れ、税金が高くなるため、税負担を軽減するために空き家のまま放置されることが多くなります。

空き家の分類

二次的な住宅・・・別荘やセカンドハウスなど、普段は住んでいないもの。

賃貸用の住宅・・・借り手が見つからず空き室になっている賃貸物件。

売却用の住宅・・・買い手がつく前の空き家。

その他の住宅・・・住んでいた人が入院したり、施設に入居したり、または亡くなったことにより空き家となっているもの。

この中で、空き家の割合は賃貸用住宅が50.7%、その他の住宅が41.2%を占めているというデータがあります。

空き家が今後も増加し続けると、環境の悪化を引き起こす可能性があります。

放置された空き家

最近では、放置された空き家が安全性、衛生面、治安面において深刻な問題を引き起こしています。

平成30年住宅・土地統計調査の結果、空き家数は848万9千戸に達し、過去最高を記録し、全国の住宅の13.6%を占めていることが明らかになりました。空き家の増加は少子高齢化の進展や人口移動の変化などを背景に続いており、管理が行き届かない空き家が防災、衛生、景観などの面で人々の生活環境に悪影響を及ぼす社会問題が浮上しています。

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www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/tokubetsu.html
空き家の増加に対処するため、行政は「空き家対策特別措置法」という法律を制定し、管理や改善、場合によっては解体を行うことができるようになりました。
また、自治体や民間でも「空き家バンク」や「空き家管理サービス」といった取り組みを通じて、空き家に関する情報提供や管理を進める事例が増えてきています。
2021年の時点での空き家率は過去最高の数値を示しています。
近年では、賃貸用や売却用の住宅よりも、放置された空き家の増加が深刻な問題として認識されています。

まとめ

マイホームを持つことは、昔から現在に至るまで、人生における最大の買い物の一つと言えるでしょう。

しかし、新築で購入した住宅が何らかの理由で住めなくなったり、手放さざるを得ない状況が生じることもあります。

使い捨ての物のようには簡単に処分できず、解体する際には多大な費用がかかることもあります。

親の代から子の代への移行時に「家」が経済的な負担になると、無視せざるを得ないという結果につながる可能性もあります。

そうした事態を避けるためにも、資産としての価値が高い住宅を選ぶことが望ましいと考えられます。

[いえ]

定義
  1. 人が住むために設計された建物。住居や家屋を指します。
    “立派な構えのいえ”
  2. 夫婦や親子、兄弟などからなる生活共同体。社会を構成する最小単位を表します。
    “いえを支える”
  3. 祖先から子孫へと、血縁によってつながる家系や家筋。それを通じて守り伝えられた伝統や技術、財産なども含まれます。

    “いえを継ぐ” · 

    [詳細]

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