買ってはいけない?レバー

レバーはお好きですか?

焼き鳥屋や居酒屋でレバーを味わうことが多い方もいらっしゃるのではないでしょうか。レバーはカロリーが低いため、健康を気にする方々にも好まれている食品の一つです。また、スーパーマーケットでも手頃な価格で購入できるため、家計の助けにもなります。

しかし、そんなレバーですが、つい食べ過ぎてしまうことはありませんか?実は、レバーは食べ過ぎると非常に危険な食材となります。低カロリーであるにもかかわらず、過剰に摂取してはいけない理由があるのです。今回は、レバーの栄養価、潜む危険性、そして適切な摂取量について詳しくご紹介いたします。

レバーとは

レバーとは、一般的に畜肉の肝臓を指します。鶏レバー、豚レバー、牛レバー、そして馬レバーなど、さまざまな種類があります。

もも肉やロース肉と比べると、レバーは低脂質で、鉄分やビタミンA、葉酸、ビタミンB12などの重要なビタミンやミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。肉質は非常に柔らかく、濃厚な味わいを楽しむことができます。ダイエットに良いとされるのは、低脂質でありながら、ダイエット中に不足しがちな栄養素を効率よく補うことができるからです。

次に、レバーに多く含まれる栄養素について詳しく見ていきましょう。

レバーには豊富な鉄分が含まれています。見た目や味からも、鉄が多く含まれていることが想像できるかもしれません。鉄は体内で赤血球を形成し、酸素を運搬する重要な役割を果たします。体内の鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血を引き起こすリスクが高まります。しかし、過剰摂取による鉄過剰症も存在するため、注意が必要です。

ビタミンA

ビタミンAはレバーやうなぎ、卵黄などの動物性食品に多く含まれています。この栄養素は目や皮膚の健康を維持するために欠かせません。ビタミンAが不足すると、暗い場所や夜間に視力が低下する「夜盲症」のリスクが高まります。やはり、過剰摂取による過剰症もあるため、摂取量には注意が必要です。

葉酸

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、野菜やレバーに含まれています。赤血球の生成や、遺伝子情報を担う核酸の合成に関与しています。不足すると、巨赤芽球性貧血や神経障害を引き起こすおそれがあります。特に妊娠中の女性やアルコール依存症の方においては、葉酸の欠乏が見られます。水溶性ビタミンであるため、必要以上の葉酸は尿として排出されるため、過剰症にはなりにくいですが、妊婦の場合はサプリメントで補うことが一般的です。

ビタミンB12

ビタミンB12はビタミンB群の中で唯一、植物性食品にはほとんど含まれていない栄養素です。貝類やレバー、牛乳などの動物性食品に豊富に含まれています。このビタミンが不足すると、悪性貧血を引き起こす可能性があります。水溶性ビタミンであるため、過剰症はほとんど心配ありません。

このように、栄養価が高いレバーですが、食べ方を誤ると非常に危険な食品となり得るのです。

レバーの危険性

レバーには主に3つの危険性があります。

  • レバーの生食
  • 痛風
  • ビタミンA過剰症

レバーの生食

鶏レバー、豚レバー、牛レバーなどが存在しますが、現在日本ではこれらの生食が禁止されています。腸管出血性大腸菌O157の事件を覚えている方も多いでしょう。平成23年に飲食チェーン店で提供されたユッケが原因で、181名が腸管出血性大腸菌による食中毒を発症し、5名が命を落としました。レバーも腸管出血性大腸菌に感染する可能性があります。感染すると、激しい腹痛や下痢、血便などの症状が現れます。まれに溶血性尿毒症症候群(HUS)という重篤な合併症を発症することもあります。重症化し、命に関わるケースもあるため、レバーを生で食べたり、生焼けの状態で摂取することは非常に危険です。なお、日本では馬レバーのみが生で食べることが許可されているようです。馬は他の反芻動物と比べて体温が高く、細菌が繁殖しにくいことから、生食が禁じられていないのです。

痛風

痛風という病名を耳にしたことがある方も多いでしょう。レバーにはプリン体が豊富に含まれており、これが体内で尿酸に変化します。プリン体を過剰に摂取すると、高尿酸血症という疾患にかかるリスクが高まります。尿酸が体内に蓄積されると、関節に痛みを引き起こすことがあります。風が吹いただけでも痛みを感じることから、「痛風」という名前が付けられています。

ビタミンA過剰症

上記で説明した栄養素の中には過剰症を引き起こすものがいくつかありますが、特に注意が必要なのがビタミンAです。ビタミンAの過剰摂取は、頭蓋内圧亢進症や妊婦の過剰摂取による胎児の奇形などを引き起こす可能性があります。実は、レバーは少量の摂取でもビタミンAの1日の摂取上限量を超えてしまうことがあるのです。

正しい食べ方

レバーの危険性について理解していただけたかと思います。安全にレバーを楽しむためには、次の2つの点に注意してください。

  • しっかり加熱する
  • 食べる量は少なめに

しっかり加熱する

生でレバーを食べるのは危険であることはお分かりいただけたと思います。レアな状態で提供するお店もありますが、内部まで細菌が感染している可能性があるため、注意が必要です。生焼けを避けるためにも、しっかりと加熱してから食べるよう心掛けましょう。

食べる量は少なめに

適切な摂取量はどのくらいが望ましいのでしょうか。一度に食べる量は20〜30g程度が良いとされています。焼鳥の串に換算すると、1本程度の量になります。これは、ビタミンAやプリン体、さらにはコレステロールも多く含まれるためです。ただ、串焼き1〜2本というのは少量に感じるかもしれません。しかし、もしこれを超える量を食べてしまったとしても、過度に心配する必要はありません。一度の過剰摂取があっても、重大な問題にはなりません。ただし、目安量を超えて食べることが日常的にならないように心掛けることが大切です。

まとめ

今回はレバーの危険性についてご紹介しました。飲食店や街中の中華料理店、ご自宅でも手軽に楽しめるレバーですが、適切な量を守り、しっかり加熱して安全に食べることを心掛けましょう。

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