メルカリなどのフリマアプリやリサイクルショップにおいては、子ども用の靴が頻繁に販売されています。これらの靴の中には確かに新品のものも見かけますが、実際には多くの靴が他の人によって以前に使用されたものであることが一般的です。
子どもは成長が著しいため、新しい靴に買い替える頻度が非常に高く、これに伴うコストは無視できないものとなっています。このような状況下では、少しでも出費を抑えたいと考える方が多いのは理解できます。
手頃な価格で手に入る中古の靴は、コスト面から見れば非常に魅力的ですが、結論としては購入を強くお勧めすることはできません。また、兄弟間でのお下がりも同様です。過去に誰かが履いた靴を使用することが、どのような影響を及ぼすのかについて、以下で詳しくご説明します。
【靴には”履き癖”がつく】
靴が消耗品であることを理解している人は意外と少ないかもしれませんが、靴は確実に消耗するものです。
靴を履くたびに靴底は徐々にすり減り、中敷きやその下にあるクッションも少しずつ摩耗していくのです。そして、履くたびに靴は持ち主の足に馴染んでいきます。
靴が履いている人の足に合わせて馴染むということは、その人の歩き方の癖に応じて靴の形も変わるということを意味しています。この履いた人の足の形や歩き方の癖がつくことを「履き癖」と呼びます。
履き癖のついた靴は、成長段階にある子どもの足に対して大きな影響を与えることがあります。靴の特性が歩き方を変えることもあり、他人の「履き癖」がついた靴を子どもが履くことで、その成長を妨げる可能性があるのです。
【足の形、歩き方が同じ人はいない】
親子や兄弟姉妹の間で足の形が似ていることがあっても、完全に同じということはありません。さらに、歩き方も個々に異なるため、同じ靴を履いても同じ癖がつくことは決してないのです。
また、足が靴の形に影響を与えるように、靴もまた足や歩き方に影響を及ぼします。
自分の足幅よりも狭い靴を履き続けることで、外反母趾になる可能性がある人もいます。人間の足は、思っている以上に外部の影響を受けやすいのです。
成長が完了した大人でも、靴の影響で足が変形することがあるのです。特に子どもの足の骨は柔らかいため、他人の癖がついた靴を履くことで足への影響が大きくなるのは当然と言えるでしょう。
【見た目がきれいでも履き癖はついている】
1~2回しか履いておらず、見た目はほぼ新品に近い靴でも、すでに「履き癖」がついているのです。
靴底や中敷き、さらにはその下にあるクッションなど、あまり目立たない部分や見えない部分にも多少なりとも消耗が見られます。
まだ履ける状態の靴であっても、最初に使用した子以外が履くことは適切ではありません。
中古の靴を購入する際や、誰かからお下がりをもらうときは、このことを十分に理解した上で行動することが重要です。
【中古の靴は”絶対ダメ”ではない】
これまでの内容で、中古の靴やお下がりの靴はお勧めできない理由をお伝えしましたが、絶対にダメだと断言するわけではありません。
たとえば、発表会や入学式、卒業式といったフォーマルな場に履いていく靴の場合、使用回数が少なく、履いていた時間も短い可能性が高いです。
購入を希望する人は、その一度だけの短時間に履かせたいと考えていることでしょう。
毎日使用するスニーカーではなく、特定のシーンで短時間だけ使用する靴にお金をかけたくないと考えるのも、非常に合理的な意見です。
中古の靴やお下がりの靴を履くことのデメリットを十分に認識した上で、良好な状態のものを選んで購入するのは、選択肢の一つとなるでしょう。
まとめ
靴には「履き癖」がつくため、成長過程にある子どもには中古の靴やお下がりの靴をお勧めできません。
「履き癖」とは、靴が履く人の足の形や歩き方に影響されて消耗し、変形することを指します。
足が靴の形に影響を与えるのと同様に、靴もまた足や歩き方に影響を及ぼし、足の変形や歩き方の変化を引き起こす可能性があります。
大人に比べて影響を受けやすい子どもの足が成長する妨げになるかもしれないという点をしっかりと理解しておきましょう。
安さだけを求めて中古の靴を選ぶのは避けるべきです。実際に靴を履くのは子ども自身であるということを常に念頭に置いてください。靴が子どもの足の成長に与える影響についてもしっかりと考えておくことが重要です。
靴が高価だから、あるいはブランド品だからといって、それが常に良い選択肢であるとは限りません。西松屋などの量販店で手頃な新品を購入することも可能ですので、ブランドにこだわることなく、子どもに合った靴を選ぶことを強くお勧めします。
何事においても、知識があることは非常に重要です。
毎日履く靴に関しては、誰かが履いたことのある靴は避けるべきですが、「フォーマルなシーンで短時間だけ履く」といった特定の目的に応じて、中古の靴を購入することも一つの選択肢となり得るでしょう。
筆者自身も、子どもが保育園で使用する靴の洗い替えとして中古の靴を選んだ経験がありますが、その際にはここまでじっくり考えていなかったことを反省しています。今この記事を執筆するにあたり、もっと深く考えるべきだったと感じています。
使用済みの中古の靴のデメリットをしっかりと理解した上で、自分自身が購入する際やお下がりをもらう時、またお下がりをあげる時の判断材料の一つとしていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
コメント