近年、特に注目を集めている人工大理石のキッチンですが、その魅力の裏には、汚れや傷が目立ちやすいという多くのデメリットが隠れていることをご存知でしょうか。
最近のトレンドとして、キッチンにおいても洗練されたスタイリッシュなデザインが求められるようになり、従来のステンレス製のキッチンから、人工大理石製のキッチンに変える家庭が増加傾向にあります。
人工大理石は色のバリエーションが豊富であるため、キッチンのデザインを自分好みに仕上げやすく、おしゃれで個性的な空間を演出することができるという大きな利点があります。
私自身も新しい家を建てる際には、人工大理石のキッチンに強い憧れを抱き、迷うことなくその選択をしましたが、実際に使ってみると意外にも多くのデメリットが存在することに気づかされました。
この記事では、新しいキッチンに人工大理石を導入しようかどうか悩んでいるあなたのために、私の体験をもとに人工大理石キッチンの特長について詳しくお伝えしていきます。
人工大理石のキッチンは汚れがつきやすい
人工大理石の主要成分にはアクリル樹脂やポリエステル樹脂が使用されています。そのため、初期の段階ではそれほど汚れにくいのですが、長期間使用することで経年劣化が進み、汚れが付きやすくなるという特性があります。
特に、日光が直接当たる場所に設置された場合、紫外線の影響を受けやすく、黄ばみの原因となることもあります。
さらに、樹脂製であるため、油汚れが付きやすく、ぬめりが取り除きにくいというデメリットも抱えています。
私が最も厄介だと感じる点は、油汚れによる色付きが非常に落としにくいことです。
ステンレス製のボウルと比べると、タッパーの油汚れが落ちにくいのと同じように、従来のステンレスキッチンでは気にしなかった汚れが、人工大理石では非常に落ちにくくなるのです。
特に薄い色を選んでいる場合、汚れが目立ちやすく、せっかくこだわってデザインしたキッチンも、どこか不潔に見えてしまうことがあります。

そんな汚れやすい人工大理石ですが、掃除方法には注意すべきポイントが3つあります。
頑固な汚れに対処する際に行ってしまいがちな以下の3つの掃除方法は、絶対に避けるべきです。
- 漂白剤を使用する
- 酸性やアルカリ性の洗剤を使用する
- ヤスリで削る
人工大理石は樹脂製のため、酸やアルカリに対して非常に弱いという特性があります。そのため、汚れを落とそうと何度も漂白剤を使用してしまうと、表面にベタつきや黄ばみができやすくなります。
同様に、クエン酸やアルカリ電解水の使用も控えた方が良いでしょう。
さらに、人工大理石は柔らかい素材であるため、ヤスリを使うと傷が目立ってしまう恐れがあるのです。頑固な汚れであっても、メラミンスポンジなどを使って優しくこする程度にとどめておくべきです。

このように、汚れが沈着してしまうと掃除が非常に厄介になるため、人工大理石は日々こまめにお手入れをする必要があるのです。
特に掃除に自信がない方には、人工大理石は避けた方が良い素材といえるでしょう。
人工大理石のキッチンは傷がつきやすい
人工大理石のキッチンに包丁やハサミなどの鋭利なものを落としてしまうと、深い傷が残ることがあります。
私自身も使用開始から1ヶ月も経たないうちに、水切りかごから包丁を落としてしまい、シンクの一部がえぐれてしまった経験があります。
傷には汚れが溜まりやすく、見るたびにショックを受けますが、一度ついてしまった傷はもうどうしようもありません。
ステンレスのキッチンを使っていた時は、包丁を落としても気にすることがなかったため、人工大理石の方が鋭利な物に対しては弱いと感じています。
確実に丁寧に使用できる方には問題ないのかもしれませんが、物をよく落としたり引っ掛けたりする方には十分な注意が必要です。
キッチンの素材のおすすめは?
人工大理石以外にも、キッチンにはステンレスやメラミンなどの素材が使用されています。最近ではセラミック製のキッチンも人気が高まっているようです。
ここからは、それぞれの素材の耐熱性や対汚性などを比較しながら、あなたに最適な素材を選ぶお手伝いをしていきます。後悔のない素敵なキッチンを作り上げるために、ぜひ参考にしてください。
耐熱性 | 耐汚性 | 傷つきやすさ | インテリア性 | 価格 | |
人工大理石 | ○ | ○ | ○ | ◎ | やや高価 |
ステンレス | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 安価 |
メラミン | △ | △ | △ | ◎ | 安価 |
セラミック | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 高価 |
耐熱性に関しては、ステンレスとセラミックが非常に優れています。熱いものを直接置きたい場合には、この2つの素材を選ぶ必要があります。
また、汚れに対する強さや傷つきやすさについても、樹脂素材の人工大理石やメラミンは、ステンレスやセラミックに劣ることが明らかです。
一方で、樹脂素材は色付けなどが行いやすく、多彩なバリエーションがあるため、インテリア性は高くなります。
セラミックはその素材特性を活かし、シックで上品な仕上がりを実現することができるでしょう。
価格については、ステンレスやメラミンは非常に手頃で、人工大理石はその少し上の価格帯に位置します。セラミックは非常に高価となるため、予算に余裕がある場合のみ選択肢に加えるべきです。
実は私自身もセラミックのキッチンに強く憧れを抱いていましたが、見積もりを受け取った際、その価格に驚き、結局導入を断念せざるを得ませんでした。
まとめ
- 人工大理石は紫外線の影響を受け、長期使用により黄ばみが生じる可能性がある。
- 樹脂素材で作られた人工大理石は油汚れが付きやすいという特性がある。
- 人工大理石の手入れには、漂白剤、酸性・アルカリ性洗剤、ヤスリの使用を避けることが重要。
- 人工大理石はステンレスよりも傷がつきやすいというデメリットがある。
- キッチンの素材としては、人工大理石の他にメラミン、ステンレス、セラミックなどが存在する。
- ステンレスは機能性が高いが、デザイン性においてはやや劣ることがデメリットとされる。
- セラミックのキッチンは近年人気が高まり、機能性とデザイン性も優れているが、価格が非常に高い。
キッチンは毎日使用する重要な空間ですので、後悔のない選択をしたいものです。それぞれの素材のメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分にぴったりな快適なキッチンを作り上げてください。
コメント