便利で美味しい「果物の缶詰」。
ヨーグルトにトッピングしたり、ホットケーキに添えて楽しんだり、そのままスナック感覚で食べたりと、果物の缶詰は実に多彩な用途があります。
手頃な価格で手に入るため、日常的に楽しんでいる方も少なくないでしょう。
しかし、実際には「果物の缶詰は健康に悪い」といった噂も広がっています。
そこで今回は、缶詰の果物が長持ちする理由と、その購入を避けるべき理由を詳しく解説しますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
缶詰の果物が長持ちする理由
「新鮮な果物はすぐに傷んでしまうのに、なぜ缶詰の果物は長持ちするのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
一般的に、缶詰の果物の賞味期限は約3年と言われています。
ここでは、缶詰の果物が長持ちする理由を詳しくご紹介します。
缶詰の果物が長持ちする理由
まず、食品が傷む主な原因について考えたことがありますか?
食品が傷む主な要因は、細菌やその他の微生物による腐敗です。
微生物は、適切な条件が整うと急速に増殖することが容易に想像できます。
その条件は以下の通りです。
- 微生物の汚染
- 温度
- 酸素
- 水分
つまり、これらの条件を排除し、微生物の繁殖を防ぐことができれば、食品は傷まないのです。
この観点から、缶詰の製造過程を見てみましょう。
調理した果物を缶に詰め、 | まず、調理した果物を缶に詰め、空気を抜いて密閉します。 この空気を抜くことにより、以下のメリットがあります。 ・加熱殺菌の際に、缶内の空気が膨張して缶が変形するのを防ぐ ・缶詰の保存中に、缶内面の腐食を防ぐ ・食品の色、香り、味、栄養素の変化を防ぐ |
加熱殺菌する | 密封後、微生物を死滅させ、腐敗を防ぐために加熱殺菌を行います。 加熱の温度と時間は食品によって異なり、果物の場合は100℃以下の温度で短時間の殺菌が施されます。 |
水で冷やす | 缶詰内の果物の劣化を防ぐために、殺菌後すぐに水で冷却します。 |
このような工程を経ることで、生の果物は長持ちしないのに対し、缶詰の果物は賞味期限が約3年に延びるのです。
果物の缶詰を買ってはいけない理由3選

果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維など、私たちの体にとって非常に重要な栄養素が含まれています。
それでもなぜ、果物の缶詰を購入することを避けるべきなのでしょうか?
その理由を3つに分けて解説します。
シロップの問題
果物の缶詰は、ほとんどが透明なシロップに漬け込まれていることが多いです。
果物の缶詰を好む理由の一つには、この甘美なシロップの存在が大きいのではないでしょうか。
しかし、このシロップにはいくつかの問題が潜んでいます。
シロップは微生物の繁殖を防ぎ、果物を長期間保存するために必要不可欠な役割を果たしています。
ただし、果糖ぶどう糖液糖などの砂糖やでんぷんを含んでいるため、糖分が豊富で、カロリーや糖質が高くなる傾向があります。
その結果、肥満や生活習慣病を引き起こす要因となる悪影響があります。
実際にシロップには種類があり、糖度に違いがあります。
種類 | 糖度 |
エキストラライト・シラップ | 10~14%未満 |
ライト・シラップ | 14~18%未満 |
ヘビー・シラップ | 18~22%未満 |
エキストラヘビー・シラップ | 22%以上 |
果物の缶詰を食べる際には、このシロップを飲まないようにすることも重要であり、購入時にはどのシロップが使用されているかを確認し、できるだけ糖度が低いものを選ぶことが望ましいでしょう。
缶詰自体の問題
2つ目は、缶詰そのものに関する問題です。
これは果物の缶詰だけでなく、サバやその他の缶詰にも当てはまる問題です。
実際、缶詰そのものが体に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。
具体的には、以下のような問題があります。
成分 | 詳細 | 影響 |
BPA(ビスフェノールA) | 缶詰の内側に腐食防止のために塗布されている物質 | ホルモンバランスの乱れや不妊、心疾患や糖尿病を引き起こすリスクがある |
耐熱性カビ | 加熱しても死滅しないカビの一種 | 慢性的な疲労や集中力の低下、頭痛を引き起こし、発がん性を持つ場合もある |
最近では「BPAフリー」の缶詰も増えてきています。
したがって、気になる方は、購入時にBPAフリーの缶詰を選ぶと良いでしょう。
果物の産地の問題
最後に、原材料として使用される果物の産地についての問題です。
果物の缶詰の価格から推測できるように、海外の安価な果物が原材料として使われていることが非常に多いです。
特に、中国産の果物が使用されていることが多く、中国の食品に関しては衛生面や農薬の問題など、あまり良いイメージを持っている方も少なくないでしょう。
缶詰の中には、「国産」や「○○県産の果物使用」と明記されているものもあります。
そのため、気になる方は原材料をしっかりと確認することをお勧めします。
生の果物も食べすぎは注意

果物の缶詰を避けるべき理由について詳しく解説しましたが、生の果物についても過剰に摂取することには十分な注意が必要です。
もちろん、果物には多くの栄養素が含まれているため、適度な量を摂取することは非常に有益ですが、体に良い食べ物であっても食べ過ぎると逆効果になることがあるのです。
果物には「果糖」という糖分が含まれているため、これが過剰摂取の原因になります。
厚生労働省の発表によると、果糖の過剰摂取(果物の食べ過ぎ)は、肥満や中性脂肪の増加につながると警告しています。
果物を1日に食べる目安は200gとされていますので、「健康に良いから」「好きだから」といった理由で食べ過ぎないようにすることが重要です。
まとめ:果物の缶詰を買うときは、成分を確認しよう!
今回は、缶詰の果物が長持ちする理由や、購入を避けるべき理由について詳しくまとめました。
美味しくて便利、手頃な価格で手に入る果物の缶詰ですが、シロップや缶詰自体、さらには果物の産地に問題があることがあるため、注意が必要です。
そのため、もし果物の缶詰を購入する際には、しっかりと内容を確認することが大切です。
また、生の果物であっても、食べ過ぎは健康に良くないことを忘れないようにしましょう。十分な注意が必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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