
さまざまなダイエット方法が存在する中で、「糖質制限」というアプローチを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
糖質制限ダイエットは、満腹感を感じつつ、栄養のバランスを改善できる注目のダイエット手法として広く知られています。
この記事では、コンビニエンスストアで手に入る商品の中から、糖質制限中に安心して食べられる食品と避けた方が良い食品について詳しく解説していきます。
糖質制限に興味のある方や、コンビニでの食事選びに戸惑っている方にとって、この記事が有益な参考となれば幸いです。
糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエットとは、糖質の摂取量を制限することにより、体重を減少させることを目指すダイエット方法を指します。
かつては、ダイエットと言えば摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくする「カロリー制限」が主流でしたが、実際にはこの方法が健康に良くないという研究結果が示されています。
確かに、摂取カロリーを極端に減少させることで、短期間で体重を落とすことは可能ですが、その結果として人間にとって重要なエネルギー源であるたんぱく質や糖質が不足してしまう恐れがあります。
- 免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる
- 代謝が悪化し、脂肪が付きやすくなる
- 脳の働きが鈍くなり、集中力や判断力が低下する
- 不眠症状が出ることがある
- 疲れやすくなる
このように、さまざまな健康上の問題が発生する可能性があるのです。
そのため、最近注目を集めているのが「糖質制限」という方法です。
人間の体内では、摂取した糖質が次のように処理されていきます。
- 小腸で糖質が「ブドウ糖」に分解される
- ブドウ糖は肝臓を経由して血液中に運ばれる
- 血液中のブドウ糖が増加すると、「インスリン」というホルモンが分泌される
- インスリンがブドウ糖の体内吸収を助ける
- 吸収されたブドウ糖は体のエネルギーとして利用され、使われなかったブドウ糖は「グリコーゲン」として体内に蓄えられる
- 血糖値が下がると、体内のグリコーゲンが分解されてブドウ糖に変換される
- エネルギーとして使用されなかった残ったブドウ糖は、中性脂肪に変換される。
このように、糖質は体内でこのプロセスを経て処理されるのです。
つまり、糖質を過剰に摂取することで、脂肪として蓄積されて体重が増えてしまうということになります。
したがって、糖質を制限することで体重を減少させることが可能なのが糖質制限ダイエットの基本的な考え方です。
カロリー制限ダイエットの説明でも触れたように、糖質は人間の活動に必要不可欠なエネルギー源であるため、決して炭水化物(食物繊維と糖質を含む)を完全に排除することが糖質制限ダイエットの目的ではないことを理解しておく必要があります。あくまで糖質の摂取量を減らすことが主眼です。
1日の糖質適正摂取量
では、糖質の理想的な摂取量は一体どのくらいが適切なのでしょうか?
厚生労働省の見解によれば、炭水化物の適正摂取量は1日の総エネルギーの50~65%とされています。
たとえば、18~29歳の女性が日常的に通勤を行う程度の活動量がある場合、推定されるエネルギー必要量は2,000kcal/日となりますので、1日の摂取カロリーが2,000kcalと仮定すると、炭水化物の適正な摂取量は1,000~1,300kcal程度になります。
糖質は4kcal/gですから、1日に必要な糖質を含む炭水化物の量は250~325gとなる計算です。
上記の計算は、適正エネルギーを2,000kcalとして行いましたが、実際の適正エネルギーは基礎代謝や運動量、さらには身長や体重によって個人差があるため、まずは体組成計を使用して自分の基礎代謝を確認し、それを元に自分に必要な糖質量を算出するのが良いでしょう。
さて、ダイエットを実践する際に、どの程度まで糖質を制限するのが望ましいのでしょうか。
厚生労働省によれば、基礎代謝が1,500kcal/日であると仮定した場合、脳に必要な糖質量は最低でも100g/日程度と推定されています。ただし、体内では蓄積したグリコーゲンを分解してブドウ糖を補うことが可能であるため、必ずしも100gが必要というわけではありません。
さらに、一般社団法人 食・楽・健康協会では、1日の糖質摂取量を70~130gとする「ロカボ」を推奨しています。この方法では、毎食の糖質量を20~40gに制限することで、食事を楽しみながら糖質を抑えることができますので、糖質制限に初めて挑戦する方は、まずはロカボに取り組むと良いかもしれません。
コンビニで買ってはいけない食べ物
それでは、コンビニで販売されている商品の中から、糖質が高く、特に糖質制限中には注意が必要な食品をいくつかご紹介します。
菓子パン

【セブンイレブン】7P 北海道産小豆の つぶあんぱん
例えば、セブンイレブンで手に入るこちらの商品の栄養成分は、
熱量:302kcal、たんぱく質:8.3g、脂質:5.6g、炭水化物:57.4g(糖質:51.6g、食物繊維:5.8g)、食塩相当量:0.6g
となっています。
ロカボに挑戦している場合、このパン1つで毎食の糖質摂取目標量である20~40gを簡単に超えてしまうことがわかります。おやつとしても、ランチにも手軽に食べられる菓子パンですが、糖質が非常に多く含まれる商品が多いため、糖質制限中は避けることが賢明です。
クリーム系のパスタ

【ローソン】濃厚クリームを味わう! 生パスタカルボナーラ(北海道産生クリーム使用)
熱量:697kcal、たんぱく質:30.0g、脂質:23.3g、炭水化物:93.4g(糖質:90.3g、食物繊維:3.1g)、食塩相当量:4.87g
寒い季節になると、クリーム系のパスタが食べたくなる方も多いでしょう。そんな濃厚で美味しいクリーム系パスタですが、実際にはトマト系や和風のパスタと比較すると糖質がかなり多く含まれているため、糖質制限中には特に注意が必要です。
お弁当

【セブンイレブン】あさり御飯
こちらの一見ヘルシーに見えるお弁当ですが、栄養成分を確認すると、
熱量:326kcal、たんぱく質:9.9g、脂質:2.6g、炭水化物:66.6g(糖質:64.7g、食物繊維:1.9g)、食塩相当量:2.5g
という栄養成分が示されています。
コンビニのお弁当は白米の量が多く、どうしても糖質が高くなりがちであるため、糖質制限には適さない食品と言えるでしょう。
コンビニでおすすめの食べ物

パンもパスタもお弁当もダメなんて、じゃあ何を食べればいいの!
皆さん、そう思われるかもしれませんね。
ご安心ください。実は、コンビニには糖質制限中でも安心して食べられる商品が多数揃っています♪
ホットスナック

【セブンイレブン】ななチキ
熱量:173kcal、たんぱく質:14.1g、脂質:8.6g、炭水化物:10.0g(糖質:9.7g、食物繊維:0.3g)、食塩相当量:1.4g
ダイエット中に揚げ物は避けたほうが良いと考えている方も多いかもしれませんが、実はホットスナックには糖質が低い商品が意外にも多く揃っています。たとえば、セブンイレブンの人気商品「ななチキ」は、糖質がわずか9.7gです。もしご飯やサンドイッチといった主食の糖質を30g以下に抑えることができれば、がっつり揚げ物も楽しむことが可能です。また、ダイエット中に不足しがちなたんぱく質も補えるため、ホットスナックは糖質制限中の方にとって非常におすすめの食品です。
おにぎりorサンドイッチ+スープ

どうしてもお米やパンを食べたい方には、あえてお弁当や菓子パンを避けて、おにぎりやサンドイッチを選ぶことをお勧めします。コンビニのおにぎりは糖質が約35g前後で、たまごサンドやミックスサンドは多くの場合30g以下の糖質に収まっていますので、毎食1つ程度であれば問題ありません。ただし、おにぎりだけでは満腹感が得られにくいので、糖質が低いスープやサラダチキンなどとの組み合わせが効果的です。
低糖質商品
先ほど、パスタやお弁当は避けるべき商品として挙げましたが、実は糖質制限中でも安心して食べられる商品も存在します。近年、糖質制限の関心が高まる中で、大手コンビニでは「低糖質」の商品が多数開発・販売されています。
一般社団法人 食・楽・健康協会が商標登録している「ロカボ」マークが付いた商品や、糖質ゼロ麺や全粒粉パンなども多く販売されていますので、ぜひパンやお弁当のコーナーをチェックしてみることをお勧めします。

【セブンイレブン】糖質を控えたハムチーズデニッシュ
熱量:269kcal、たんぱく質:5.7g、脂質:21.1g、炭水化物:19.8g(糖質:8.3g、食物繊維:11.5g)、食塩相当量:1.1g

【ローソン】1食分の野菜が摂れるちゃんぽん(糖質オフ麺使用)
熱量:204kcal、たんぱく質:12.6g、脂質:6.9g、炭水化物:30.1g(糖質:15.6g、食物繊維:14.5g)、食塩相当量:4.81g
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事が、糖質制限ダイエットを始めることを考えているあなたにとって非常に役立つ情報となっていれば幸いです。
糖質制限をダイエット手法として取り入れる際には、適切な範囲内でしっかりと糖質を摂取しつつ、健康的にダイエットを進めていくことが重要です!
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