買ってはいけないビジネスシューズ　～意外と知らないマナーと選び方～

ビジネスシーンにおいて、スーツやネクタイの着こなしやルールを気にする男性は多いですが、実際には靴の重要性をあまり意識していない、あるいは知らないという方も多いのではないでしょうか。

実は、ビジネススーツにはシューレースのない革靴を合わせることはマナー違反であることをご存知でしょうか？

ビジネススーツに最適な靴は「紐付きの革靴」です。

この記事では、ビジネススーツに不向きな靴の種類と、逆におすすめの靴について詳しく解説していきます。

避けるべき靴の種類

NG①　シューレースの無い革靴（スリッポン）

こちらは、ローファーなど、シューレースが付いていない革靴のことを指します。脱ぎ履きが非常に楽で、一般的にはスリッポンという名称でも知られています。

ローファーの起源は、ノルウェーの農夫が牛を放牧する際に履いていた靴に由来しています。また、脱ぎ履きのしやすさから、かつては英国で室内履きとしても使用されていました。

このような歴史を考慮すると、スリッポンはワーキングシューズやルームシューズの延長線上に位置するため、ビジネスシーンのようなフォーマルな場においては適さない靴と言えるでしょう。

デザイン性が高く、タッセルやビット（装飾金具）が付いているスタイリッシュなものも多く存在しますが、ビジネススーツと組み合わせることは避けるべきです。

NG②派手な色・スエードなど起毛素材の靴

ビジネスシューズの基本的なカラーは「黒」と「茶色」です。

最近ではビジネススタイルがカジュアル化してきているとはいえ、赤や紫、緑といった基本的ではない色の靴は、ビジネスの場においてはふさわしくないと考えられています。

加えて、スエードやヌバックなどの起毛素材を用いた靴は、カジュアルな印象を強く与えるため、ビジネスシーンでは避けるべきです。これらの素材や色の靴は、たとえシューレースが付いていたとしても、マナー違反として認識することが肝心です。理想的なのは、滑らかなスムースレザーの靴です。

NG③極端に尖ったつま先の靴

靴のデザインには流行があり、つま先が長いロングノーズの靴が人気を博すこともあります。

しかし、クラシックなスタイルのスーツには必ずしも合うわけではなく、カジュアルで派手な印象を与えてしまうことがあります。ビジネスシーンで選ぶべき靴は、スタンダードなシルエットのものを選ぶことが重要です。

紐のついた革靴

ビジネススーツにぴったりなシューズの正解は、「紐のついた革靴」です。

つま先が丸いラウンドトゥは、ビジネスシューズの定番とされており、流行に左右されにくく、長く愛用できるデザインとなっています。つま先が長すぎない場合は、少し四角いスクエアトゥも問題ありません。

スムースレザー

革の種類は多岐にわたりますが、ビジネスシューズには「スムースレザー」を選ぶのが最も理想的です。滑らかで光沢のある質感のレザーを選ぶと良いでしょう。

王道デザインは「ストレートチップ」と「プレーントゥ」

革靴のデザインは主に以下の3種類に分類されます。

– ストレートチップ：つま先の切り替えに1本のラインが入っているもの
– プレーネトゥ：装飾が一切ないシンプルなもの
– ウイングチップ：つま先の切り替え形状がWのようにデザインされているもの

この中で特に人気が高いスタイルは「ストレートチップ」と「プレーントゥ」です。ウイングチップはメダリオン（穴飾り）が施されていることが多く、華やかな印象を与えるため、パーティなどの場には適していますが、ビジネスシーンでは「ストレートチップ」や「プレーントゥ」を選ぶのが無難でしょう。

色の基本はやはりブラック

黒のビジネスシューズは、どんなスーツにも合わせやすく、必ず1足は持っておきたいアイテムです。

黒以外では茶色も選択肢に入りますが、明るい茶色はカジュアルな印象を与えることが多いため、黒の代わりとして履く場合は濃い茶色のものを選ぶことが望ましいでしょう。

また、グレーや緑の靴でも、濃い落ち着いた色であればビジネスシーンでも違和感はありません。

うまくコーディネートすることで、ビジネスファッションにアクセントを加えることが可能ですが、定番は黒と茶色であることを常に念頭に置いてください。特に、これからスーツを揃える予定の方には、まず黒の革靴を購入することを強くおすすめします。

この記事では、ビジネスシューズのマナーや選び方について詳しく解説してきました。

リモートワークが普及している現代でも、営業職の方を始め、完全にリモートで仕事をしているわけではない方がほとんどでしょう。会社の同僚や取引先と会う際には、TPOを考慮した適切なコーディネートが欠かせません。

スーツやネクタイのコーディネートがどれほど素敵でも、靴がマナー違反であれば全体の印象を台無しにしてしまいます。

さらに、革靴のお手入れも非常に重要なポイントです。マナーに則った靴を選んでいても、ソールがすり減っていたり、汚れが目立つ靴では意味がありません。

履き終わった靴は必ずブラシで汚れを落とし、時には革の色に合ったクリームを塗り込むことで、新品同様の輝きを取り戻すことができます。また、靴を長持ちさせるためには、2～3足をローテーションで履くことも推奨されます。

昔から「オシャレは足元から」という言葉があります。ぜひ、足元まできちんと整えて、全体のコーディネートを美しく仕上げてください。

この記事が、日々仕事に励むビジネスマンの皆さんや、これから就職を控えている皆さんの靴選びにおいて、一助となれば幸いです。

ありがとうございました。