日本の豊かな食文化の中で、大変重要な役割を果たしている「だし」。
「良いだしが出ている」とか「だしがきいている」といった表現は、きっと多くの方が一度は耳にしたことがあるはずです。
味噌汁やお吸い物、卵焼き、さらには煮物など、様々な料理において、だしは欠かせない要素となっていますよね。
近年では、鰹節や昆布などの伝統的な素材からだしを取る家庭が減少しており、ほんだしを使う家庭が増えているのではないでしょうか。
ほんだしを利用することで、手間をかけずに短時間で美味しい料理を作ることが可能になる一方で、「体に悪い」という噂があることをご存知でしたか。
この記事では、ほんだしの原材料、体に悪いとされる理由、そしてその対策について詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
ほんだしは何からできている？
素材からだしを取る場合、一般的には鰹節や昆布、あごなどが知られていますが、ほんだしは一体どのような素材から作られているのか、あなたはご存じでしょうか。
実は、ほんだしは、味の素社が製造・販売している風味調味料の一つです。
その名前には「にほんのだし」や「ほんもののだし」という二つの意味が込められています。
選び抜かれた鰹節を最長2週間にわたって燻製し、熟練の職人が目、鼻、舌を駆使し、3種類（深燻し、極深燻し、浅燻し）に燻し分けて、深い味わいを生み出しています。
ただし、風味調味料であるため、鰹節が100％で構成されているわけではありません。
味の素の公式HPに掲載されている原材料名は以下の通りです。
食塩(国内製造）、砂糖類（砂糖、乳糖）、風味原料（かつおぶし粉末、かつおエキス）、酵母エキス、酵母エキス発酵調味料／調味料（アミノ酸等）
ほんだしが体に悪い理由とは？
では、なぜ「ほんだし」が体に悪影響を及ぼすと言われているのでしょうか。
塩分
日本では「原材料名は含まれる量が多いものから順に記載する」という法律が存在します。
つまり、食塩や砂糖類が多く含まれていることが示唆されます。
そのため、ほんだしの中で最も多く含まれている原材料は「食塩」であり、みそ汁1杯分（1g）を作る場合、0.4g、小さじ1杯に換算すると1.2gになります。
他の調味料と比較してみると、例えば醤油の小さじ1杯には約1gの食塩が含まれ、味噌の小さじ1杯では約0.75g程度ですので、ほんだしがどれほど多くの塩分を含んでいるかがわかります。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2020年版」では、1日の塩分摂取量（食塩摂取量）の基準は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。
ほんだしを使って味噌汁を作ると、1杯あたりほんだし0.4gと味噌1.5gを合わせて、合計1.9gの塩分を摂取することになります。
つまり、朝晩それぞれ1杯ずつ飲むと、合計で1日の約半分に相当する塩分を摂取することになるというわけです。
塩分を過剰に摂取することは、高血圧を引き起こし、それが動脈硬化を進行させ、最終的には脳卒中や心臓病の原因になり得ることがあります。
さらに、糖尿病や胃がん、骨粗鬆症のリスクが高まることも指摘されています。
酵母エキス
酵母エキスは、酵母の一種で、菌体を化学的に分解して抽出した成分を指します。
化学的に生成されたものであっても、日本の表示ルールに基づけば「食品添加物」ではなく「食品」に分類されます。
このため、製造コストを抑えることができ、また「無添加」と主張することも可能なのです。
一部の人々にはアレルギー反応を引き起こす可能性があり、過剰摂取すると味覚障害を引き起こす危険性もあります。
調味料（アミノ酸等）
調味料（アミノ酸等）は、主にグルタミン酸ナトリウムから構成されている「うま味調味料」のことを指します。
ちなみに「うま味調味料」とは、うま味を引き出す成分を人工的に精製した調味料のことです。
研究によって、味覚障害を引き起こす危険性があり、塩気を感じにくくなるため、結果として塩分の過剰摂取に繋がる可能性があることが示されています。
また、偏頭痛や体のしびれといった症状が報告されることもあります。
無添加だしを使おう！
過剰摂取を避けるためにも、ほんだしを頻繁に使うことは控えた方が賢明だと言えるでしょう。
その代わりに、ぜひ無添加だしを利用することをお勧めします。
だしを取る
- 乾いた布で昆布（6g）の表面についているほこりを丁寧に拭き取ります。
- 鍋に昆布と水（400ml）を入れ、約30分ほどそのまま置いておきます。
- 鍋を弱火にかけ、じっくりと温度を上げ、沸騰直前（70℃）で火を止めて、昆布を取り出したら完成です。
- 乾いた布で昆布（6g）の表面についているほこりを丁寧に拭き取ります。
- 保存容器に昆布と水（400ml）を入れ、冷蔵庫で一晩置くだけで完成します。
- 鍋に水（1,000ml）を入れ、沸騰させたら火を止めます。
- 鰹節を加えて1〜2分待ちます。
- ざるにキッチンペーパーや布をしき、こして完成です。
無添加だしを使う
素材からだしを取る方法は、どうしても手間と時間がかかってしまいます。
そのため、ほんだしよりも価格が高くなることが多いですが、「無添加だし」を使用するという選択肢もあります。
ポチップまとめ：過剰摂取を避け、無添加だしを！
簡単に美味しい料理を作ることができる、家庭の頼れる味方である「ほんだし」。
ただし、その過剰な摂取は脳卒中や心臓病、糖尿病、さらには味覚障害といった様々な病気のリスクを高める可能性があることに注意が必要です。
「塵も積もれば山となる」ということわざがあるように、毎日の食事にほんだしを取り入れていると、いつの間にか過剰摂取に繋がる恐れがあります。
手間をかけることも料理への愛情の一部であり、料理をさらに美味しくするための重要な調味料であることを忘れないでください。
時には無添加だしを利用することを考えてみてはいかがでしょうか。自分自身や大切な家族の健康を守るために、ぜひ一度その選択肢を検討してみてください。
最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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