買ってはいけないカルシウム~マグネシウムとの比率が大事~

カルシウムばかりを気にしていませんか?

骨を丈夫にするためや、日常のストレスを軽減するために、カルシウムの摂取に気を使っている方々が多いのではないでしょうか。

一般的に、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を積極的に摂取し、さらに小魚なども食生活に取り入れている方が多いと思います。また、さまざまな食品やサプリメントにもカルシウムが加えられていることが一般的です。

確かに、カルシウムはその吸収率が低い栄養素であり、日本人が摂取しているカルシウムの量は、実際にはアメリカ人の約3分の1に過ぎないとされています。そのため、骨粗鬆症の予防の観点から、カルシウムの摂取は長年にわたって推奨されてきたのです。

カルシウムを意識的に摂取することは非常に重要ですが、最近の研究ではカルシウムの過剰摂取が、他のミネラルとのバランスを崩す可能性があることが指摘されており、その結果として、思わぬ健康問題を引き起こすことがあることが明らかになっています。

カルシウムとマグネシウムの比率が重要

カルシウムとマグネシウムの関係について疑問に思われる方もいるかもしれませんが、マグネシウムはカルシウムの「ブラザーミネラル」として知られています。これは、体内で一定の比率を維持することが健康を保つ上で非常に重要な役割を果たすからです。

理想的な摂取比率は「カルシウム:マグネシウム=2:1」とされています。

しかし、私たちが普段摂取する乳製品には、カルシウムとマグネシウムの比率が極端に偏っていることが多いです。例を挙げると、牛乳は「10:1」、チーズは「20:1」となっており、このような状態では、カルシウムが過剰になりがちです。

骨の健康を考えて乳製品を多く摂取し、さらにカルシウムを含むおやつやサプリメントを追加することで、相対的にマグネシウムが不足してしまう状況が生じることになります。

カルシウムとマグネシウムはお互いに拮抗し合いながらバランスを保ち、機能しています。言い換えれば、カルシウムは筋肉を収縮させる役割を担い、マグネシウムはその収縮を緩和する役目を果たしています。

力を発揮するためにはカルシウムが不可欠であり、逆に力を緩めるためにはマグネシウムが必要です。

もしカルシウムが過剰でマグネシウムが不足していると、筋肉が緊張しやすくなったり、疲労感が強まったり、肩こりやこむら返りなどの問題が起こる可能性が高まります。

骨の健康のためにもマグネシウムが必要

骨を健康に保つためにカルシウムを摂取しているにもかかわらず、マグネシウムの不足が気になる方もいらっしゃるかもしれません。

カルシウムは体にとって非常に重要な栄養素であり、カルシウムを摂ること自体は決して悪いことではありません。

しかし、重要なのはマグネシウムとの比率を意識することです。実は、マグネシウムも骨に対して非常に重要な役割を果たしています。

骨の中に含まれるマグネシウムは、カルシウムに次いで2番目に多く、マグネシウムは骨の形成に必須の働きをし、骨の老化を防ぐ効果もあります。

また、マグネシウムが不足すると、骨の健康に悪影響を及ぼすこともあります。具体的には、骨を形成する細胞が過剰に活発になり、骨密度が低下することがあり、さらにカルシウムの吸収が妨げられ、体外に排出されやすくなってしまうのです。

骨粗鬆症を予防する観点からも、カルシウムのみならず、マグネシウムもしっかりと摂取することが望ましいといえます。

マグネシウムを効果的に摂取する方法

では、どのようにマグネシウム不足を解消することができるのでしょうか?

マグネシウムを効果的に摂取するための3つのポイントをご紹介します。

食事から摂る(緑黄色野菜、海藻、豆類など)

マグネシウムが豊富に含まれている食品には、緑黄色野菜、海藻、豆類が挙げられます。

具体的には、緑黄色野菜ではほうれん草、小松菜、ブロッコリー、海藻ではひじき、わかめ、海苔、豆類ではきなこ、納豆、豆腐などが代表的です。

栄養バランスを整えるためには、「まごわやさしい」の食生活を意識することで、自然にマグネシウムも摂取できるようになります。

「リン酸塩」に注意を払う

インスタント食品やハム、ソーセージなどに含まれる食品添加物の「リン酸塩」は、カルシウムや鉄分の吸収を妨げることで有名ですが、マグネシウムの吸収も阻害することが明らかになっています。

できるだけ注意を払い、加工食品を避けるよう心掛け、摂取する際には茹でられるものは茹でこぼすなどして「リン酸塩」の量を減らす工夫をしてみてください。

マグネシウム入りの入浴剤もお勧め

マグネシウムは食事からだけでなく、皮膚からも吸収されるため、日常生活で簡単に取り入れられるのが「エプソムソルト」などの入浴剤です。

「ソルト」と名付けられていますが、実際には塩ではなく、温泉にも含まれている「硫酸マグネシウム」という成分の結晶です。

不足しているマグネシウムを肌から補うことで、凝り固まった筋肉をほぐす手助けにもなります。

まとめ

この記事では、「カルシウムとマグネシウムの比率の重要性」についてお伝えしました。

栄養は常にバランスが重要です。どれほど体に良い栄養素であっても、過剰摂取や不足は、いずれも体に悪影響を与える可能性があります。

現代の人々は、食生活やストレスの影響から、マグネシウム不足に陥りやすいとされています。マグネシウムが不足している状態で、カルシウムを意識して摂取する商品ばかりに頼るのは避けるべきです。

カルシウムを摂取する際には、相方であるマグネシウムもしっかりと摂ることを心掛けましょう。

カルマグ比率”を意識して、健康的で活力に満ちた生活を送ることができると良いですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました