お寿司屋やスーパーマーケットで手軽に見つけることができるイカは、その味わいだけでなく、さまざまな料理に利用できる点でも非常に魅力的です。しかし、他の魚介類と比べると、見た目や色合いから鮮度を判断するのが難しいため、選び方に悩む方も多いかもしれません。そこで今回は、イカを選ぶ際のポイントや種類について詳しくご紹介します。
イカの種類
スルメイカは、身が大きく、特徴的な三角形のヒレを持ち、その独特の食感はねっとりとしており、とても美味しいです。調理の幅も広く、お刺身として生で楽しむことができるほか、煮込み料理や焼き物にも最適です。特にスルメイカは、夏の時期に水揚げが活発で、「夏イカ」として広く知られています。
ヤリイカは、胴体が細長く、短い脚が特徴であり、その独特な外見が魅力的です。北海道から九州まで広範囲に分布し、漁獲されていますが、スルメイカに比べると若干の歯応えの違いがあります。それでも、甘みが強く高級イカとして人気があり、お刺身でその旨味を堪能することが特におすすめです。
アオリイカは、その美味しさから「イカの王様」とも称されています。透明感のある身はコリコリとした食感を持ち、甘みが強く、お刺身にすると絶品の味わいになります。しかし、アオリイカをお刺身にする際には、アニサキスに対する注意が必要です。
イカの効能
【タウリン】
イカにはタウリンが豊富に含まれており、これは血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血圧を安定させる効果があります。さらに、肝臓の解毒能力を高め、アルコール障害に対する効果も期待でき、インスリンの分泌を促進することで、糖尿病の予防や治療にも寄与します。タウリンは他の魚介類と比べても多く含まれており、疲労回復にも非常に優れた効果をもたらしますが、プリン体も含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。
【タンパク質】
人体の約15%から20%はタンパク質で構成されており、筋肉や肌、髪を形成するために欠かせない栄養素です。タンパク質には必須アミノ酸が含まれており、体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。タンパク質が不足すると、筋力の低下や身体機能の低下を引き起こし、体調を崩しやすくなるリスクが高まります。特に高齢者においては、タンパク質不足が深刻な問題となり、身体機能の障害を引き起こし、骨折や噛む力の低下、さらには介護が必要になるリスクも高まるため、意識的にタンパク質を摂取することが重要です。イカはタンパク質が豊富で、アミノ酸スコアも高いのが特徴です。
【EPA・DHA】
EPAとDHAは、体内で合成できない不飽和脂肪酸の一種です。EPAは免疫反応の調整や血栓予防、抗炎症作用、高血圧の予防に効果があります。EPAが不足すると、生活習慣病や記憶力の低下を引き起こす可能性があります。一方、DHAは免疫反応の調整や脂肪燃焼の促進、血管の収縮や血小板の凝集に寄与し、アレルギー疾患、高血圧、動脈硬化、脂質異常症、脳卒中、皮膚炎の予防や改善にも期待が寄せられています。さらに、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減少させ、善玉(HDL)コレステロールを増やす働きもあります。
【ビタミンE】
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一つで、優れた抗酸化作用を持ち、活性酸素を防ぐ効果があります。このため、老化や生活習慣病の予防に寄与しますので、「若返りのビタミン」としても知られています。特に女性にとっては、月経不順や貧血に対して効果を発揮するため、非常に重要な栄養素です。
買ってはいけないイカ
新鮮なイカの特徴として、目が黒く、身が豊かで膨らんでいることが一般的に知られています。身には透明感があり、皮が赤黒く濃いものを選ぶと良いでしょう。逆に、買ってはいけないイカはその逆で、獲れた直後は透明から茶色、そして白色へと変化していく傾向があります。新鮮さが失われると、身は張りを失い、透明感がなくなり白色になってしまいます。また、触った際にヌメリがあり、生臭さを感じる場合は、鮮度が落ちている証拠ですので、購入の際には十分に注意が必要です。
調理法
イカといえば、まずは生で楽しむお刺身が最もおすすめです。調理は、まず包丁を使って捌くことから始まります。胴体に指を入れて押さえ、内臓を取り出します。引き抜いた内臓と肝は、他の内臓と切り離す必要があります。切り取った肝は塩辛として利用でき、1〜2日ほど塩漬けにすると良いです。次に、目の上から包丁を入れて肝と足を切り離します。目と目の間に切り込みを入れ、外側から親指で優しく押し出すと、飛び出た部分をティッシュなどに包んで取り外します。クチバシは非常に硬いため、指で強く押し出して取り除きます。包丁の先を使って、足に付いている吸盤をこそぎ取ります。この際、吸盤に付いている硬い部分(歯)をしっかりと取り除き、手で確認することが重要です。食べやすい大きさに切った後、イカの脚(ゲソ)は取っておきます。エンペラと胴体の繋ぎ目に指をいれ、胴体を切り離します。その後、上に引っ張り上げて軟骨を引き抜きます。皮を手で引き剥がし、エンペラの皮も剥がします。身を包丁で開き、中に残った薄皮を手で取り除いた後、身を4センチ幅に切り分けます。最後に、切り分けた切り身を4ミリ〜5ミリ幅に切り、皿に美しく盛り付ければ完成です。
イカの煮付けは非常に人気のある料理の一つで、特にスルメイカを使うのが一般的です。
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