瞳を大きく見せることができるカラーコンタクトレンズ、通称カラコンが人気を博しています。これらのレンズは、単に目を大きく見せるだけでなく、元の瞳の色とは異なるさまざまな色合いを楽しむことができるため、ファッションアイテムとして女性だけでなく男性にも広く利用されています。
しかしながら、「目に良くないのでは?」という懸念の声も耳にすることがあるでしょう。では、カラーコンタクトレンズを購入することは適切なのでしょうか、それとも避けるべきでしょうか?
カラコンで角膜が傷つく可能性がある
カラコンに限らず、一般的なコンタクトレンズも角膜に傷をつける危険性があります。コンタクトレンズを装着する際、レンズと眼球の間には薄い涙の層があり、レンズはその層に浮かんだ状態になりますので、基本的には角膜に直接触れることはありません。
しかし、以下のようなことがあると、レンズが角膜に直接接触し、傷を生じる可能性が高まります。
・レンズのサイズや形状が自分の眼に合っていない
・ドライアイが進行し、涙が不足している
・レンズが破損したり、汚れが付着している
・何かが眼に当たることによって、レンズが角膜に押し付けられる
このような状況が重なると、レンズが角膜に直接触れ、傷を引き起こしてしまいます。
角膜が傷つくと、その部分がまぶたの裏でこすられ、異物感を感じたり、痛みを覚えたりします。特にひどい場合には、まばたきすることさえも苦痛を伴い、目を開けることができない状態になることもあります。
また、カラコンにおいては、質が劣るものが多く、角膜を傷つけるリスクが高いとされています。以前はファッション専用の「度なし」カラコンは、薬事法の適用を受けずに厚生省の承認なしで製造・販売が行われていましたが、2009年11月以降は法改正が行われ、度なしカラコンも医療用コンタクトレンズと同様に承認が必要になりました。それでも、トラブルの発生は依然として続いています。
カラコンは以下の要因から、通常のコンタクトレンズよりもトラブルの発生リスクが高いと考えられています。
・透明レンズよりも酸素透過性が低く、眼に余計な負担をかける
・着色部分が角膜を擦りやすく、傷を引き起こす可能性がある
・医師の指導を受けずに、自己流で不適切に使用する方が多い
個人輸入などの格安カラコンは特に危険
おしゃれに気を配る若い世代の方々は、「カラコンを試してみたいけれど、あまりお金がない…」と感じることも多いでしょう。そのような状況でインターネットを検索すると、格安・激安のカラコンがたくさん見つかります。特に最近では、韓流ブームの影響もあって、韓国製のカラコンが人気を集めています。
しかし、注意深く調べてみると、「個人輸入代行」として販売されている場合があり、これは注意が必要です。個人輸入自体は違法ではありませんが、そのようにして手に入れた商品は、日本の検査基準を満たしていない可能性が高いのです。
通販サイトで購入する際には、「高度管理医療機器承認番号」の記載があれば、日本の基準をクリアしている製品であるため、参考にすると良いでしょう。逆に、その記載がないものはおすすめできません。自己責任でリスクを承知の上で使用することは可能ですが、慎重な判断が求められます。
長時間のカラコン使用は避ける
カラコンに限らず、コンタクトレンズは長時間装着しているとドライアイになるリスクが高まり、その結果角膜を傷つけることにつながります。特にカラコンは、通常のコンタクトレンズよりも眼が乾燥しやすいとされています。
おしゃれを楽しむあまり、長時間つけていると、眼のトラブルを引き起こす可能性が高まります。実際に、中学生の女子がカラコンを寝るとき以外ずっと装着していた結果、失明の危機に直面したという事例も報告されています。
また、カラコンをつけたままうっかり眠り込んでしまい、翌朝目を覚ましたらレンズが眼に張り付いて外せなくなってしまうこともあります。その場合、無理に外そうとすると、逆に角膜を傷つけてしまう危険性があります。まずは目薬で十分に目を潤し、それでも外れそうにない場合は眼科を受診することが重要です。
そのような事態を避けるためにも帰宅したらすぐにカラコンを外すことが、眼の健康を守るためにおすすめです。
カラコンでも最初は眼科で処方してもらうのがよい
消費者庁などの公的機関では、カラコンであってもまず眼科医を受診し、自分に合ったレンズを処方してもらうことを強く推奨しています。
コンタクトレンズを購入する際には、角膜の曲面に合わせたカーブやサイズを知ることが必要です。これらを眼科で測定することで、レンズがずれて眼に傷をつけるリスクを低減することが可能です。
また、特にドライアイがひどい方や、眼にアレルギー症状がある方などは、そもそもカラコンの装着が難しい場合も考えられます。そのため、このような方がカラコンを使用して眼のトラブルを引き起こさないように、事前に医師に相談することが非常に重要です。
コンタクトレンズ販売店には、眼科併設の店舗も多いので、最初はインターネットでの購入を避け、そういった場所で購入することをお勧めします。
まとめ
この記事を通じてお伝えしたいことは、カラコンは日本の検査基準を満たしていない製品は購入を避けるべきであるということです。また、自分に最適なものを理解した上で、正しい使用方法を心掛けることで、瞳を傷つけるトラブルを未然に防ぎましょう。
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