小型ボディで無煙調理を実現するHTG-375の徹底レビュー
長時間の立ち作業にも耐える設計の裏には、ヒロ・コーポレーションのこだわりが感じられる一台があります。HTG-375は、無煙調理を意識したダイヤル式の二熱源構成を採用しており、屋内での調理環境を大きく改善します。上部にはカーボンヒーターと放熱ファンを備え、下部にはシーズ型ヒーターを組み合わせることで、加熱の立ち上がりと安定性の両方を狙っています。
本体サイズは約330×215×258mm、本体重量は約2.2kg(プレート含む)と、場所を選ばず使えるサイズ感です。プレートサイズは約L294×W170mmで、アルミ素材にテフロン塗装を施しているため焦げ付きにくくお手入れも比較的楽です。
実際の使用感としては、二熱源の切り替えがスムーズで、炒め物と同時並行の温度管理が可能です。ダイヤル操作は直感的で、細かな温度設定を欲する料理人にも配慮された設計と言えます。ただし、ダイヤル式の温度調整は、精密な温度制御を求める場面では若干の経験を要すると感じる場面もありました。特に厚手の鍋や分厚い肉厚の食材を連続して加熱する場合には、上部と下部の熱源のバランスを意識した運用が必要です。
清掃性については、プレートの表面がテフロン塗装である点が大きなメリットです。油脂の落ちも良く、使用後のメンテナンスが楽だと感じます。一方で、熱源の構造上、清掃時にはファン部のほこりを溜めすぎないように定期的にケアする必要があります。移動時の安定性は、コンパクト設計と適度な重量のおかげで、テーブルトップやカウンター上での使用時にも揺れにくい点が評価できます。
この機種を選ぶべきシーンは、コンパクトさと無煙性を重視する家庭や小規模なキッチン、あるいはイベント時の小型ブースなどです。室内での換気を過度に気にせず調理を楽しめる点は特筆すべきポイントです。
設計面の総評としては、二熱源構成の組み合わせが、短時間での加熱と焼き色づけの再現性を高めています。HTG-375の軽快さと安定性のバランスは、初心者にも扱いやすく、経験者には細かな温度コントロールの余地を提供します。プレートの表面加工と本体の実用美は、キッチンの雰囲気を壊さず、日常使いに寄り添うデザインと言えるでしょう。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| デザイン | ★★★★☆ |
| 機能性 | ★★★★☆ |
| 価格満足度 | ★★★☆☆ |
| 総合評価 | ★★★★☆ |
総じて、室内での無煙調理を実現する機能と、コンパクトさの両立は魅力的です。デザイン面と機能面のバランスを重視する方には特におすすめできる一台であり、普段の炒め物から小型の焼き物まで、幅広い料理ジャンルをサポートします。価格帯を気にせず高い品質を求めるなら、この機種は有力な候補になるでしょう。自身のキッチン環境に合わせて、手元のダイヤルでの温度運用を練習してみると、その真価を実感できるはずです。




コメント