肌に現れるシミは、どうしても気になってしまうものですよね。日焼けやニキビの跡など、年齢を重ねるうちに自然に消えにくくなり、いつの間にかシミとして肌に残ってしまうことが多いです。それに気が付いたときには、思わずがっかりしてしまいます。特に顔にできるシミは、その影響が大きいので、なんとか簡単に消す方法がないかと、インターネットで情報を探し回った方も多いのではないでしょうか。
手軽にシミを改善する方法として、多くのサイトで紹介されているのがハイドロキノン・クリームですが、本当に効果があるのか、また健康にどのような影響を及ぼすのか、気になる点がたくさんあります。
ハイドロキノンとは
ハイドロキノンは、化学物質の一種としてフェノール類に分類され、化学の専門用語ではヒドロキノンと呼ばれることが一般的です。この物質は、主にフェノールの酸化反応を利用して合成され、写真の現像や酸化防止剤、プラスチックの原材料、農薬、染料など、さまざまな工業的用途で広く利用されています。要するに、ハイドロキノンは基本的には工業的に使用されることが多い物質です。
「イチゴやコーヒー、麦芽にも含まれている」と説明されることもあり、なんとなく体に優しい天然由来の成分のように感じるかもしれませんが、実際には工業用途を知ると、健康に良いものとは言い切れないという印象を受けるのも事実です。
ハイドロキノンは健康に悪いの?
リサーチを進めるうちに、ハイドロキノンを美容目的で使用した際に起こりうる副作用に関するさまざまな情報に遭遇します。使用後すぐに現れる皮膚の炎症や、長期間の使用によって生じる重度のリバウンド性色素沈着、さらには白斑が発生することもあるのです。中には、発がん性のリスクを指摘する意見も散見されます。
美容を目的に調合されたハイドロキノン入りのクリームは、さまざまな化粧品メーカーから正規に販売されていますが、全てを「買ってはいけない!」と否定するつもりはありません。ただし、使用時には十分な注意が求められることを忘れないでください。もし心配な方は、皮膚科の専門医に相談しながら使用することが推奨されます。
それでもハイドロキノン・クリームを使ってみたい場合
まず購入する際に注意すべきポイントは、ハイドロキノンの配合量です。
前述のように、副作用があるため、通常は含有成分中のハイドロキノン濃度は2-4%程度に制限されています。しかし、中には8%という高濃度のものも存在します。特に肌が敏感な方や初めて使用する場合は、低濃度の製品から始めることをおすすめします。
ただし、配合量が4%程度の製品では、効果をほとんど実感できないこともあります。効果が出ないまま長期間使用して副作用が出てしまっては、結局意味がありません。そのため、高濃度の製品を選ぶことで、期待以上の効果を実感できる可能性もあります。
この「数%の違いが効果に大きな差を生む」という点が、ハイドロキノン・クリーム選びの難しさです。自己責任で使用する場合は、一つの製品を長期間使い続けるのではなく、短期間で複数の製品を試してみるのも良い選択肢です。費用がかかるかもしれませんが、「効果を感じられるときは本当に効果的」な製品ですので、自分に合ったものが見つかればラッキーだと思って、気軽に挑戦してみてください。
実際にハイドロキノン・クリームを塗るとどうなるのか
ハイドロキノン・クリームを塗布する際は、顔全体に広げるのではなく、消したいシミの部分にピンポイントで塗布することが重要です。以下に示すのは一例であり、実際の経過や効果には個人差があることを理解しておいてください。
ハイドロキノン・クリームは通常白色であるため、そのまま外出時に使用するのは難しい場合があります。また、塗布した状態で紫外線に当たると、逆にシミが悪化するリスクもあるため、寝る前に塗り、塗った部分が寝返りで落ちないようにガーゼなどで覆い、翌朝にはしっかりと洗い流すことが大切です。
洗顔後、塗布した箇所を見ると、効果が出ている場合は赤くなっていることがよくあります。その上、薄皮が剥けていることもあるでしょう。赤みは炎症反応を示し、皮が剥けているのは新陳代謝が促進されている証拠です。これは、日焼けの跡が皮が剥けるのと似た現象です。時にはかなりのヒリヒリ感を伴うこともあり、この赤みは特に顔の場合には目立つため、コンシーラーなどで隠す必要が出てくるかもしれません。
このプロセスを毎晩または数日ごとに繰り返し、「ヒリヒリ感」と「赤み」に耐えながら数日が経過すると、皮が剥けるにつれてシミが徐々に薄くなっていくでしょう。しかし、同時に肌のガサガサ感も生じることがありますので、保湿ケアも忘れずに行うことが重要です。うまく行けば、約2週間ほどでかなりシミが薄くなることが期待できます。
ただし、限界を見誤ると、シミは薄くなるものの赤みが残ってしまい、結局シミが残っているのと同じ状態になってしまう可能性もあるため、経過を慎重に観察し、必要に応じて使用を中断するなど、細心の注意が求められるクリームであると言えます。
まとめ
以上で本記事は終了です。家庭で手軽にシミを消す挑戦ができるハイドロキノン・クリームですが、強い副作用が伴うため、使用には自己責任で十分な注意が求められます。リスクを少しでも避けたい方は、最初から医師に相談することを心掛けてください。
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