お庭やベランダを明るく美しく彩るガーデニングは、多くの人々に愛される魅力的な趣味の一つです。その中でも特に人気を集めているのが寄植えであり、これは小さなスペースを効果的に利用し、さまざまな花々を手軽に楽しむことができるため、多くの方に支持されています。花の苗には多くの種類が存在し、同じ花の仲間であっても、湿度に対する耐性や直射日光への適応力が異なるものが少なくありません。
「初めて寄植えをしてみたいけれど、どの苗を選べば良いのかしら?」
「害虫が心配なんだけど、それに対してはどうすればいいの?」
このような疑問を抱えている方は多いことでしょう。実際には、数多くの寄植え用の苗の中には、選ぶ際に注意が必要なものも存在します。それでは、どの種類の苗が寄せ植えには不向きなのでしょうか?今回は、寄せ植えに適さない苗について詳しく解説し、購入を控えるべき植物を紹介します。
買ってはいけない苗 根が傷に弱いラベンダー
ラベンダーはその根が非常に繊細で、傷に対して非常に弱い特性を持っています。そのため、植え替えを行う際には非常に慎重さが求められます。もし根に傷がついてしまうと、植物が衰弱したり、最悪の場合には枯れてしまうこともあります。品種によっては若干の違いが見られますが、ラベンダーは基本的に高温多湿な環境を苦手としているため、そのような条件を好む植物や、夏の強い日差しの下で開花する植物と一緒に寄植えするのは避けた方が良いでしょう。また、水を与えすぎることで根腐れを引き起こす危険性もあるため、他の植物と水やりの頻度が異なることも寄植えには不向きな理由の一つです。
ラベンダーはシソ科ラベンダー属に属する多年草であり、鉢植えで育てる場合、1年だけでなく数年にわたって花を楽しむことができます。しかし、寄せ植えを行う際には、植え替え時に根を傷つけるリスクや、根腐れによって花が枯れたり弱ってしまう可能性があるため、注意が必要です。長期間ラベンダーを楽しみたい場合には、単独での鉢植えが最も適しています。
ラベンダーは高温よりも寒さに強い植物です。冬の寄せ植えを華やかに演出したいと考える場合、どうしてもラベンダーを使いたいのであれば、生育環境が類似しているタイムやローズマリーとの組み合わせを考えてみると良いでしょう。ただし、根が絡み合うことがあるため、その点については十分に注意を払う必要があります。
買ってはいけない苗 地下茎でのびるグレコマ・ラミウム
「グレコマ」や「ラミウム」は、小ぶりで丸みを帯びた葉が非常に魅力的な植物です。グレコマは寒暖に強い多年草であり、茎からはさっぱりとした香りが漂い、ハーブとしても広く利用されています。一方、ラミウムの葉には美しい白い斑点模様が見られ、春には紫色や黄色の花を咲かせるため、寄植えを華やかに彩る役割を果たします。しかし、これらの植物は地下茎で急速に広がる特性があるため、その繁殖力の強さには注意が必要です。
地下茎で広がる植物は、地中で根を横に広げながら成長していくため、一度増えてしまうと根を取り除くことは可能ですが、その根がどこまで広がっているのかを目視で確認するのは難しい場合が多いです。意外な場所から再び芽を出すこともありますので、注意が必要です。地面を掘り起こして全て取り除いたつもりでも、根が少しでも地中に残っていれば、その生命力によって再び芽を出す可能性があるのです。
グレコマやラミウムは春になるとかわいらしい花を咲かせ、寄植えを美しく飾ることができます。多年草であり、寒暖差にも強いため育てやすい植物ですが、地下茎で増えるという特性をしっかりと理解しておくことが重要です。
買ってはいけない苗 虫がつきやすいデージー
丸みを帯びた形状と柔らかい質感で人気のデージーですが、その見た目の可愛さとは裏腹に、害虫対策には特に注意が必要な植物です。特にアブラムシはデージーに付きやすく、これらの小さな虫は2〜4mmほどのサイズで繁殖力が非常に高く、一気に大量発生することがあります。暖かい季節になると特に発生しやすく、葉や茎に寄生し、植物の栄養を吸収してしまいます。さらに、アブラムシの排泄物はすす病と呼ばれる病気を引き起こす原因となるため、必ず対策が求められます。
すす病は植物の葉を黒い粉で覆うことで光合成を妨げ、植物を衰弱させる恐れがあります。予防策としては、風通しの良い場所での管理や、葉水を行って清潔な環境を保つことが重要です。もし少数のアブラムシを見つけた場合は、ガムテープやピンセットなどを使って取り除くことが効果的です。しかし、もし大量に発生してしまった場合には、木酢液や市販の薬剤を散布することが有効です。アブラムシだけでなく、ヨトウムシやハダニにも効果があるため、注意が必要です。特にデージーは黄色い花を持つため、アブラムシに特に注意を払う必要があります。
ガーデニングを楽しむ中で、害虫との関係は切っても切り離せないものです。植物を育てるのは楽しい体験ですが、虫が苦手な方にとっては、デージーの苗は避けた方が良いかもしれません。
まとめ
植物の中には寄せ植えには適さないものや、適切な管理が必要なものが存在します。根の特性や害虫対策について事前に調査しておくことで、初心者でも安心して寄せ植えを楽しむことができるようになるでしょう。
寄せ植えは基本的に、半年以上の長期間にわたり最適な状態を維持するのが難しい場合があります。異なる植物を一緒に植えるため、夏越しや冬越しをうまく行うことは容易ではありません。植え付け直後が最も良い状態であると考え、数ヶ月程度を目安に楽しむことが望ましいです。
一年草やカラリーフなどをうまく取り入れながら、季節の花々を寄せ植えで楽しんでみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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