古くから生薬として重宝されてきたドクダミ茶は、近年では一般的な健康茶として多くの人々に親しまれています。
日本各地に自然に自生しているドクダミは、自ら摘んでお茶を作ったり、美容目的で化粧水として使用することも可能です。しかしながら、ドクダミ茶の成分や副作用、注意すべきポイントについてしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、非常に多機能である「ドクダミ茶」について、詳しく解説していきます。
ドクダミとは?
ドクダミはドクダミ科に属する多年草で、日本全国の湿った半日陰の場所に生息しています。この植物は非常に強力な根と地下茎を持ち、繁殖力が非常に高いため、庭や農作物において雑草としての問題を引き起こすことも少なくありません。
一方で、ドクダミは食材としての利用もあり、一部の地域ではサラダやスープの材料として珍重されています。
「日本の三大薬草」としても知られるドクダミは、その葉や茎を乾燥させたものが「十薬(じゅうやく)」という生薬として広く認識されています。
乾燥させたドクダミを煎じて飲むことによって、利尿作用、動脈硬化の予防、さらには解熱や解毒といったさまざまな健康効果が期待されているのです。
意外と知らない副作用
万能薬のように見えるドクダミ茶ですが、実際には飲用によって引き起こされる副作用も存在しますので、慎重に扱う必要があります。
高カリウム血症
特に腎疾患を抱える方が過剰にドクダミ茶を飲用することで、カリウムの過剰摂取が原因となり「高カリウム血症」を引き起こすリスクがあります。
高カリウム血症の症状としては、悪心、嘔吐、しびれ、知覚過敏、脱力感、不整脈など、体全体のさまざまな臓器に影響を及ぼす機能不全が現れる可能性があります。
腎機能が正常な場合はそれほど心配はありませんが、慢性的な肝疾患をお持ちの方は、摂取する前に必ず医師に相談することを強くお勧めします。
妊娠中は?
ドクダミ茶には子宮収縮作用があるため、妊娠中の方が過剰に摂取すると切迫流産のリスクが高まる可能性があることを理解しておくべきです。
過剰摂取を避ければ問題は生じませんが、念のため主治医に相談した上での摂取が望ましいでしょう。
お腹がゆるくなる
ドクダミ茶に含まれるクエルシトリンという成分には利尿作用があり、この成分の影響でお腹がゆるくなることがあります。
特に普段から胃腸が弱い方は、この点に注意が必要です。
肌に合わない
ドクダミ茶は一部の人にとって、肌に刺激を与える可能性があることも忘れてはいけません。
通常は肌に良いとされることが多いですが、ドクダミの成分に対して過敏症反応を引き起こすこともあるため、注意が求められます。
特に敏感肌やアレルギー体質の方は、摂取の際に十分な注意が必要です。
これらの条件に該当する方がドクダミ茶を過剰に摂取すると、体にさまざまな悪影響を及ぼすリスクがあるため、少しでも不安を感じる場合は、ドクダミ茶を控えることが賢明かもしれません。
ドクダミ茶に期待できる効果
確かに、一部の人にとって悪影響をもたらす場合も存在するドクダミ茶ですが、本来は非常に多くの健康に良い効果を期待できる飲み物です。
①血液・血管に関する疾患予防(高血圧・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞など)
ドクダミ茶には高血圧の原因となるナトリウムを排出するカリウムが豊富に含まれています。
そのため、余分な塩分を体外に排出し、血圧を下げる助けとなっています。
また、毛細血管を強化する作用もあり、血行が改善されることで血管に関する様々な疾患を予防する効果が期待されています。
②肩こり・冷え性の改善
先述したように、ドクダミ茶には血流を改善する効果があることがわかります。
そのため、肩こりの緩和や冷え性の改善が期待できるのです。
③生理不順の改善や生理痛解消
ドクダミ茶には利尿作用があり、生理前に体が水分を溜め込みやすい時期に余分な水分や老廃物を排出する助けをします。
そのため、体の重さや不快感が軽減され、カリウムなどのミネラル成分が毛細血管を強化し、血液をサラサラにする効果があり、結果的に体が温まり生理痛が和らぐのです。
④免疫力アップ
ドクダミ茶に含まれるフラボノイドは抗ウイルス作用を持ち、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルス、アデノウイルスなどから体を守る手助けをしてくれます。
免疫力を高めるために、日常生活にドクダミ茶を取り入れてみるのも良い方法かもしれません。
このように、ドクダミ茶には体に対する非常に多くのメリットが存在します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ドクダミ茶は、飲用することで体に嬉しい効果をもたらすことがわかりました。
しかしながら、摂取過多によって逆に悪影響を及ぼす可能性があることも理解できたかと思います。
特にドクダミ茶の摂取に際して注意が必要な方は、
・腎疾患を抱えている方
・妊娠中の方(特に妊娠初期の方)
・胃腸が弱い方
・アレルギー体質の方
などが挙げられます。
少量の摂取であれば問題ありませんが、特にドクダミ茶が特別好きでない場合は、あまり飲まない方が良いでしょう。
また、健康な方であっても、過剰に摂取することは避けるべきです。
ドクダミはお茶だけでなく、さまざまな形で利用できるため、自分自身に合った方法で健康を目指すことを検討してみてはいかがでしょうか。
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