冬の厳しい寒さを乗り越えるために欠かせない存在として、多くの家庭で長年愛用されている電気こたつは、暖房器具の中でも特に親しまれています。しかし、近年ではこたつを設置している家庭が徐々に減少しているという印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
こたつを愛用している方々や、しばらく使用していなかった方々に向けて、なぜ現在こたつの数が少なくなっているのか、その理由を掘り下げつつ、こたつの利点と欠点について詳しく考察していきたいと思います。
こたつのメリット
電気代が安く、省エネルギーで経済的
こたつの大きな特長の一つは、暖かくなる範囲が限定されているため、こたつ布団を使うことでその保温効果が非常に高まる点です。このため、エアコンや他の暖房器具と比較しても、電気代をかなり低く抑えられるというのが魅力です。
具体的な数値を挙げると、こたつの強モードでの電気代は1時間あたり約5円、弱モードでは2〜3円程度となります。一方、エアコンを使用する場合、6畳の部屋では1時間あたり約20円かかるため、この差は非常に明確です。
さらに、こたつの下にアルミシートを敷くことで、床からの冷気を遮断し、保温効果がさらに向上するため、経済的なメリットも非常に大きいと言えるでしょう。
部屋の空気が汚れず、乾燥しにくい
こたつはストーブやファンヒーターとは異なり、灯油を使用しないため、部屋の空気を汚す心配がありません。
ストーブやファンヒーターは灯油の燃焼によって酸素を消費し、二酸化炭素を発生させるため、長時間使用すると空気が汚染され、息苦しさを感じる原因となります。しかし、こたつはそのような換気を必要としないため、安心して使用することができます。
また、エアコンを長時間使用すると、部屋の空気が乾燥し、喉や肌の潤いが失われてしまうことがありますが、こたつはそのような乾燥を引き起こさないため、快適な室内環境を保つことができます。
冷えやすい足元から効率よく温まる
特に冷え性に悩む女性にとって、足元からの冷えは非常に辛いものです。体が冷えると血行が悪化し、手足の先まで冷たくなってしまうこともよくあります。
こたつに入ってしっかりと下半身を温めることで、全身がポカポカと温まり、血行が改善されるのを実感することができ、体も楽になります。
燃料を購入する手間が不要
こたつはエアコンと同じように電気で動作するため、石油ファンヒーターやストーブのように燃料を購入する必要はありません。また、灯油を使用しないため、火事のリスクも低く、安全性が高いとされています。
家族とのコミュニケーションが促進される
寒い季節になると、家族が自然とこたつに集まる機会が増えるものです。
顔を合わせることで自然に会話が生まれ、家族の絆を深める良い機会となるでしょう。しかし、最近では各部屋にエアコンやファンヒーターが設置されているため、こたつに集まる機会が減少しているという現実も見受けられます。
こたつのデメリット
掃除の際にスペースを占有する
こたつは部屋のスペースを大きく占めてしまうため、掃除機をかける際にはこたつ本体や布団が非常に邪魔になってしまいます。
また、こたつ布団が足元を守る一方で、つまずいたり踏み外したりすることで転倒するリスクも伴います。そのため、誤ってバランスを崩して転んでしまった際に怪我をしないよう、細心の注意を払うことが求められます。さらに、こたつの上に物を置くことが多くなると、片付けの手間も増えてしまいます。
出すのも片付けるのも手間がかかる
寒くなってくるとこたつの出番がやってきますが、一度片付けたものを再び取り出す作業や、春になって暖かくなった際に仕舞う必要があるため、その都度手間がかかります。
毎年のことながら、寒くなるとこたつに入って暖まりたい気持ちと、こたつを出す手間との間で葛藤することが多くなります。
こたつで寝てしまうリスク
こたつに入ると体が温まるにつれて、自然と眠気が襲ってくることがあります。
気づくといつの間にかこたつの中で横になって寝てしまった、という経験は多くの人に共通することでしょう。こたつでうたた寝をすることで、腰から下は温かく感じるものの、背中は冷たくなってしまい、体温の調節が難しくなり、風邪を引いたり体調を崩す原因になることもあります。さらに、エアコンのように室内全体を均等に暖めることができないため、こたつの中だけが暖かくなり、外に出るのが億劫になることもあります。
脱水症状に気を付ける必要がある
冬の室内で過ごしている時でも、適度な水分補給は欠かせません。
夏に比べて汗をかく機会は少ないですが、こたつに入って体温が上昇すると、知らず知らずのうちに汗をかくこともあります。脱水症状を防ぐためにも、意識的に水分を摂取することが非常に大切です。
まとめ
古くから多くの家庭で親しまれてきた暖房器具であるこたつの利点と欠点についてお話ししました。
近年ではエアコンが広く普及し、安全に部屋全体を暖める暖房器具として多くの家庭に設置されることが増えています。また、床暖房やホットカーペット、ファンヒーターなど、さまざまな暖房器具が登場する中で、こたつを置くスペースが減少し、使用する家庭も少なくなっているのが現状です。
それでもなお、こたつは電気代が比較的安価で、寒くない時期には布団を外して普通のテーブルとしても利用できるため、その利便性は非常に魅力的です。
コンパクトな一人用こたつや、椅子の高さに合わせたダイニングタイプのこたつであれば、長時間座ることで腰が痛くなる方も楽になれる可能性があります。
したがって、こたつを暖房器具として利用することは、経済的にもかなりお得であると考えることができるでしょう。
ぜひデメリットに留意しながら、冬の寒い季節を暖かいこたつライフで楽しんでみるのはいかがでしょうか。
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