多くのエッセンシャルオイルの中でも、ラベンダーの精油は特に人気があり、ほとんどの人が一本は所有していると言っても過言ではないでしょう。このラベンダーの香りには、心を穏やかにする力が備わっていて、さらに体や心に様々な良い影響をもたらすことから、古代から多くの人々に愛され、日常生活に深く浸透してきた植物です。
さて、これほどまでに親しみやすく魅力的なラベンダーですが、実際に使用する際に注意が必要な方々が存在することをご存知でしょうか。広く知られ、効果的だからこそ、注意点をしっかりと理解した上でご利用いただくことが大切だと考えます。
今回は、そんなラベンダーのエッセンシャルオイルについて詳しくお話ししていきたいと思います。
ラベンダーのエッセンシャルオイルの成分
まず初めに、ラベンダーのエッセンシャルオイルに関する基本的な情報を見ていきましょう。
英名Lavender
科名 | シソ科 |
学名 | Lavandula angustifolia Lavandula officinalis |
使用部位 | 花/葉 |
抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
主な含有成分には、酢酸リナリル、リナロール、ラバンジュロールが含まれています。
主な働きには以下のようなものが挙げられます:
- 鎮静およびリラックス効果
- 抗菌作用および抗ウイルス作用
- 催眠効果
- 血圧を下げる作用
酢酸リナリルはセロトニンの分泌を促進し、副交感神経が優位になることでリラックス効果や催眠効果が期待されます。一方、リナロールは華やかな香りを持つエッセンシャルオイルに多く含まれ、鎮静効果が期待できます。
主要成分を確認することで、副交感神経を優位にし、緊張を和らげる方向に働くエッセンシャルオイルであることが明確にわかります。
低血圧とエッセンシャルオイル
副交感神経を優位にさせることは、血圧を低下させる効果を持っています。
高血圧の方にとっては嬉しい効果ですが、低血圧の方々にはどのように影響するのでしょうか。通常は問題ない範囲内であることが多いですが、低血圧のために体調不良を感じやすい方には少し注意が必要です。たとえば、朝の目覚めから動き出すまでに時間がかかる方や、低血圧の影響で倦怠感や頭痛を感じやすい方が該当します。
副交感神経が優位になることで血管の緊張が和らぎ、拡張します。これにより血圧が下がることになります。リラックス状態に移行することは良いことですが、過度に血圧が下がったり、急激に降下することは望ましくありません。
このため、動くことが億劫になったり、注意力が散漫になることもあります。また、血圧が低下することにより、脳への血流が減少し、脳貧血を引き起こすことも懸念されます。
低血圧のために朝の起床が辛い方や、普段から血圧が低めの方は、使用する頻度や量に注意を払う必要があります。
さらに、催眠効果のため、普段以上に眠気を感じる方もいらっしゃいます。「眠くなかったのにラベンダーのエッセンシャルオイルの香りを嗅いでいたら、いつの間にか眠ってしまった!」という体験談もよく耳にします。このようにリラックス効果が非常に高いため、何かに集中したいときは使用を控えることが賢明です。
ラベンダーのエッセンシャルオイルとの付き合い方
リラックスや鎮静効果の高いラベンダーですが、どのようなシチュエーションで使用するのが最適なのでしょうか。
心や体が緊張しているときや、興奮した神経を鎮めてリラックスしたいときに使用すると、ラベンダーのエッセンシャルオイルの本来の良さがしっかりと発揮されます。また、自然に穏やかな睡眠へと導くためにも非常に適しています。
逆に、集中したいときや心身を活発にしたいときには、血圧を上げる作用を持つエッセンシャルオイルを選ぶことをお勧めします。たとえば、ローズマリーやユーカリといったオイルが良い選択肢です。
エッセンシャルオイルの使用量について
ラベンダーのエッセンシャルオイルの働きについてこれまで見てきましたが、一回の使用量はどれくらいが適切なのでしょうか。
エッセンシャルオイルの使用量を増やすことで効果も高まると考える方もいらっしゃいますが、これは誤解です。
ラベンダーに限らず、すべてのエッセンシャルオイルに共通することですが、一度に大量に使用すると頭痛や気分不良を引き起こすことがあるのです。
エッセンシャルオイルはその一滴に多くの成分が含まれており、
その一滴だけで十分な効果を持っていますので、たくさん使えば良いわけではありません。ほのかな香りで自然の力を感じることも、エッセンシャルオイルを扱う際の魅力の一つです。
「使用する量は少ない方が良い」
これは、経験豊富なエッセンシャルオイルの専門家からの貴重なアドバイスです。エッセンシャルオイル(精油)を扱う際に忘れてはならない大切なポイントとして、皆さんに理解していただければと思います。
ラベンダーの花を自分で育てるのもおすすめ
エッセンシャルオイルは、植物から抽出された芳香成分が濃縮されたもので、その影響は非常に大きいものです。
もう少し穏やかにラベンダーの効果を感じたい方には、エッセンシャルオイルではなく、ラベンダーの花を自分で育てることも非常におすすめです。
植物を育てること自体が心や体を穏やかに保つ作用を持っているため、日々のストレスを解消するために、植物の世話をすることの素晴らしさを実感できると良いですね。
育てたラベンダーは花が咲く頃にお部屋に飾って楽しむことができますし、またドライフラワーやポプリにして、自然な優しい香りを長く楽しむこともできるのです。
さらに、他のハーブとブレンドして自分だけのオリジナルハーブティーを作るのも素晴らしいアイデアですね!
育てるところから始まり、花が咲く頃には目でも香りでも楽しみ、さらに味覚でも味わうことができるラベンダー栽培は、本当に多くの魅力を秘めています。
エッセンシャルオイルよりも穏やかで柔らかな香りや効果を楽しみたい方は、ぜひ試してみる価値があります。
ただし、園芸店でラベンダーを購入する際には、その種類に注意を払ってください。最も一般的なラベンダーのエッセンシャルオイルの香りは、基本的にイングリッシュ系のラベンダーです。
フレンチ系のラベンダー(ストエカス系など)は香りが全く異なるため、しっかりと確認した上で購入するようにしましょう。
低血圧の方が買ってはいけないエッセンシャルオイル(精油)まとめ
エッセンシャルオイル(精油)の代表格とも言えるラベンダー。その甘く爽やかで落ち着きのある香りは本当に素晴らしいものです。また、抗菌作用、鎮静効果、催眠効果など、非常に多くの有用な働きを持ち、人々の生活に長年にわたり貢献してきた大切なハーブです。
その特徴や働きを多角的に理解し、楽しく活用していただければ幸いです!
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