最近では、スマートフォンの動画撮影機能が飛躍的に向上しているため、ちょっとした動画を撮影する際には従来のビデオカメラの利用が少なくなっています。さらに、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラも動画撮影において素晴らしい性能を発揮しており、大きな撮像素子と高品質なレンズを駆使することで、非常に美しい映像を撮影できるようになっています。その結果、ビデオカメラの販売台数は大幅に減少しており、2022年にはJVCケンウッドが民生用ビデオカメラからの撤退を発表しました。加えて、最近の半導体不足の影響で人気のビデオカメラが店頭から姿を消している状況が続いており、注文してから手元に届くまでに1~2か月待たなければならない商品も見受けられます。ビデオカメラ市場には明るいニュースが少ないものの、まだその市場価値は完全に失われたわけではありません。本記事では、ビデオカメラの素晴らしさを詳しく紹介し、特に避けるべきビデオカメラについても考察していきます。
スマートフォンがビデオカメラより優れている点
スマートフォンがビデオカメラに比べて優れている点として、以下の4つを挙げることができます。
2.最近のスマートフォンは4K撮影に対応しているため、高画質の映像を簡単に撮影することができます。
3.持ち運びが非常に便利で、どんな瞬間でも気軽に撮影できるため、貴重なチャンスを逃すことが少なくなります。
4.編集作業もスマートフォンのアプリを使用することで簡単に行えるため、非常に便利です。
そのため、たまに動画を撮影する程度であれば、スマートフォン一台で十分に対応できるでしょう。実際に、人気のYouTuberの中にはメイン機材としてスマートフォンを使用している方も多く存在しています。
ビデオカメラがスマホより優れている点
スマートフォンがビデオカメラに対して多くの優れた点を持っていることは間違いありませんが、ビデオカメラにはそれに勝る点も存在します。
1.手振れ補正機能が優れている。
ビデオカメラには手ブレ防止機能が備わっており、主に光学式と電子式の2種類があります。電子式の手振れ補正機能は軽量でコンパクトですが、手振れの補正力は弱く、画質が劣化することがあるのが難点です。一方、上位機種では光学式の手振れ補正が採用されており、より強力な補正が可能となっています。
2.長時間録画が容易
ビデオカメラは長時間の録画を念頭に置いて設計されているため、バッテリーの持ちについて心配する必要があまりありません。また、長時間の連続撮影も可能で、デジタルカメラやスマートフォンには通常30分程度の機能上の制限が存在することが多いです。さらに、スマートフォンがバッテリー切れになると撮影以外の機能に支障が出るため、長時間の撮影にはビデオカメラの使用が推奨されます。
3.光学式ズーム機能
スマートフォンでも動画撮影時にズーム機能を利用することができますが、スマートフォンのズームはデジタルズームであるため、画質が劣化しやすいという欠点があります。それに対し、ビデオカメラは光学ズームを使用しており、画質の低下を抑えながら被写体を拡大することが可能です。
4.指向性マイク
スマートフォンで録画を行った場合、音声が全く無音というわけではありません。しかし、スマートフォンのマイクは周囲の音を全方位から拾ってしまうため、不要な音まで録音されることがよくあります。これに対し、ビデオカメラのマイクは指向性を持っており、必要な音を中心に拾うため、不要な音が少なくなります。
買ってはいけないビデオカメラの特徴
動画撮影に関しては、スマートフォンが非常に手軽に行えるようになり、その機能も大幅に向上しているため、動画投稿サイトへの投稿においても十分に対応できる状況が整っています。しかし、ビデオカメラにはその独自のメリットが多く、特に美しい映像を撮影するための機能が充実しています。
では、どのようなビデオカメラが「買ってはいけない」機種なのでしょうか。簡単に言うと、ビデオカメラの持つメリットが少ない機種がこれに該当します。過去にはスマートフォンの動画機能との差が大きかったものの、現在のスマートフォンの動画撮影機能の進化により、ビデオカメラの良さを犠牲にしている製品は購入を控えるべきです。
特に次の3点に注意してください。
1.手ブレしやすい。
ビデオカメラなのに手ぶれ防止機能が電子式である場合、ビデオカメラはその構造上、光学式の手ぶれ防止機能を搭載することが可能です。しかし、小型軽量化を重視するあまり、一部の機種では電子式手ぶれ防止機能が採用されています。このような商品は画質に悪影響を及ぼす可能性が高いため、避けるべきです。
2.画素数が少ない。
現在の主流はフルHDまたは4Kです。4Kの方が高品質ですが、それに伴い価格も上昇します。価格差を考慮すると、通常は4Kを選ぶべきですが、特定の用途がある場合にはフルHDでも良いかもしれません。しかし、仮に中古で安価でもハイビジョンビデオカメラは購入すべきではありません。現在の大画面テレビで再生すると、画質に問題が生じることがあるからです。
さらに、8Kは特別な用途がない限りは必要ありません。8Kは画素数が飛躍的に増加するため、それに対応した大容量の記憶メディアや8K対応のテレビも必要になります。ビデオカメラだけでなく他の投資も考慮する必要があるため、世間が8Kの時代に完全に移行してからの購入を検討しても遅くはありません。
3.オートフォーカス(AF)がない。
安価な機種の中にはAF機能が欠けているものもあります。その場合、ピントが合わないわけではなく、パンフォーカス機能が搭載されていることが一般的です。つまり、被写体の深度を浅くし、ほぼどこにでもピントが合うようになっています。
もちろん、通常のビデオカメラにはAF機能が備わっており、特にロックオンAF機能は非常におすすめです。この機能があれば、一度選択した対象を常に追い続けてくれるため、非常に便利です。
買ってはいけないビデオカメラ
では、具体的にどのような機種が「買ってはいけない」ビデオカメラに該当するのでしょうか。
1.ネット通販で見かける激安ビデオカメラ
通販サイトでは4K対応のものが1万円を切る価格で販売されていることもありますが、このような激安ビデオカメラは避けるべきです。オートフォーカス機能が欠如している、画質が劣るなどの問題が多く、また故障した際のサポートも不安定であることが懸念されます。
2.ビクター Everioシリーズ
手ごろな価格で販売されており、人気を集めていますが、手ブレ防止機能に電子式を採用しています。繰り返しになりますが、せっかく購入するのであれば、光学式手ぶれ防止機能が付いている商品を選ぶことを強くおすすめします。
お勧めのビデオカメラ
それでは、どのようなビデオカメラが特におすすめなのでしょうか。以下に、おすすめポイントを簡潔にまとめてみました。
1.パナソニック HC-VX992M・・・4K方式でありながら、非常に手頃な価格で購入可能です。
2.Sony HDR-CX680・・・空間光学手振れ補正機能を採用しているため、安定した映像を期待できる商品です。
3.パナソニック HCV480MS・・・フルハイビジョン方式であり、約3万円前後で購入できるため、用途が合う方には非常にお買い得な選択肢です。
まとめ
本記事では、ビデオカメラの機能や特徴について詳しく見てきました。スマートフォンの動画撮影機能が進化しているとはいえ、ビデオカメラでしか実現できないこともまだまだ存在しています。ただし、ビデオカメラだからといって何でも良いというわけではありません。
新しいビデオカメラを購入する際には、ぜひとも良質な機種を選んで、充実した楽しい撮影ライフを楽しんでいただきたいものです。
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