ご両親や身近な人から「いざという時のために、喪服は一着持っておくと良い」と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
人の不幸は、思いがけない瞬間に訪れるものです。
親しい友人や家族が亡くなるということは、時が経つにつれて、誰もが経験する可能性のある出来事です。お通夜がその日の夜に行われることもあり、心の準備が整っていない場合もあります。
大切な方との最後の瞬間を迎える際には、きちんとした服装でお別れを言いたいと思うのが自然な感情です。そんな日がいつ訪れるかわからないからこそ、しっかりとした服を一着用意しておくべきだと考えがちですが、実はそこには意外な落とし穴が存在します。
今回は、あらかじめブラックフォーマルを購入するべきでない理由と、必要な場合の対策について詳しくお話しします。
ブラックフォーマルを買ってはいけない理由は?
普段はあまり使用しないものの、いつか必ず必要になるブラックフォーマルですが、実は購入してはいけない理由がいくつか存在します。
体型が変わってサイズが合わない!
まず第一に、ブラックフォーマルは日常的に着るための服ではありません。さらには、定期的に着る機会もほとんどないのが現実です。年に一度も着ないかもしれませんし、若い頃には5年に一度も着ないことが多いのが実情です。
もちろん、悲しい出来事ですから、その服を使う機会がないのが一番良いのですが、長い間しまい込んでいて、ようやくその出番が訪れたときには、すでに何年も経過しているかもしれません。
たとえば、5年という時間が経つと、特に女性はライフスタイルが大きく変わることが多いものです。特に20代前半の女性にとっては、学生から社会人へと移行し、結婚や出産を経験する方も多い時期です。
人間関係が広がり、飲み会の機会も増え、家族が増加し、食生活も変わることが一般的です。一方で、運動する時間が取れなくなることもあります。
スタイルを維持できていれば問題ありませんが、現実には難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。若い頃に高額で購入したフォーマルが、サイズが合わなくなってしまったというのは、かなりショックな事態です。
デザインが年齢に見合わない!
若さにあふれ、エネルギッシュだったあの頃を思い返すと、ボディラインが際立つTシャツや、膝上丈のスカート、超ローライズのスキニーパンツ、バックルのないピンヒールを好んで着用していたのではないでしょうか。
今、同じ服を着ていますか?
ブラックフォーマルについても同じことが言えます。もし20代で購入した喪服が、30代になっても着られるかどうかは疑問です。
同じワンピースタイプを選んだとしても、20代向けのブラックフォーマルはパフスリーブやウエストのくびれが強調され、スカートはややフレアなデザインが多いです。一方、30代向けのものは、ストンとしたシルエットで、肘近くの袖丈、全体的に体のラインを目立たせないデザインが増えてきます。
突然の不幸に際し、せっかく用意した服に袖を通した際に、「あれ?なんだか浮いてる…」なんてことになったら、とても残念な結果です。
ブラックフォーマルにもトレンドがある!
葬祭に流行やトレンドがあるのかと思われるかもしれませんが、実はブラックフォーマルにも時代による流行が存在します。
パーティードレスには顕著な流行性が見られますが、ブラックフォーマルも時代とともに変化しています。今のシニア世代の方々が若い頃、フォーマルといえば肩パットがしっかりと入ったデザインが主流でした。
ジャケットの丈は長く、襟ぐりが立ち上がったものが多かったですね。
最近のデザインは、昔とは全く異なっています。ここ数年ではボレロ丈や腰上までの丈のジャケットが主流となり、ノーカラージャケットも増え、控えめでスタイリッシュな装いが好まれるようになっています。
もしあなたが、がっつり肩パットの入ったジャケットを着て現れたら、周囲の目が気になるかもしれません。基本的にブラックフォーマルはシンプルで流行に左右されにくいですが、時代によって少しずつ変化し続けています。
長い間しまい込んでいるうちに時代が移り変わり、再び着る時にはデザインが古く見えてしまうということは避けたいですね。
いざ必要なときの対策は?
いつやってくるかわからないブラックフォーマルの必要性。もし購入しないのであれば、いざという時にどうすれば良いのでしょうか?
そんな時も焦らず、簡単にできる対策をご紹介します。
ブラックフォーマルは案外 身近に売っている!
かつてはブラックフォーマルを手に入れるには、百貨店や専門のスーツ店に行かなくてはならない時代もありましたが、今では様々なお店で購入することができるようになりました。
ファッションセンターしまむら
多様な年齢層向けの衣類をリーズナブルな価格で提供していることで知られるファッションセンターしまむらでは、レディースフォーマルも豊富に揃っています。急に必要になった際には、とても便利です。
さすがしまむら!お手頃な価格帯で、トレンドに合ったデザインの商品を購入できるのも大きな魅力です。店舗数も多く、実際に手に取って試着できるため、サイズが合わない心配もありません。
ファッションプラザ パシオス
こちらも「しまむら」と同様に、リーズナブルな衣類を扱うチェーン店です。不祝儀用のバッグやふくさ、数珠、パンプスなどのアイテムも取り揃えており、一式をまとめて揃えることが可能です。
食料品店などと併設されている店舗も多いので、日常的に利用しやすい点も大きな利点ですね。
レンタルを利用する!
私のおすすめは、必要なときだけレンタル衣類を利用することです。パーティードレスや着物のレンタルは一般的ですが、ブラックフォーマルのレンタルサービスも多く存在しています。
レンタルのやましたやみんクロ礼服喪服レンタルなどは、申し込みをしてから最短で翌日午前中に届くため、急な不幸の際には非常に助かります。
お値段も1万円以下で、小物までフルセットで借りることができるため、別途用意する必要もありません。
インターネットで申し込めるレンタルサービスもたくさんありますが、利用する際は以下のポイントをしっかり確認しましょう。
- 往復送料はかかるかどうか
- 貸出期間は何泊何日か
- 汚してしまった場合の補償や保険がどうなっているか
これらをしっかり見極めて、賢く利用しましょう。
まとめ
この記事を読んで、いかがでしたでしょうか?
大人になったからといって、フォーマルの一着も持っていなければならないという考えは、もはや古いのかもしれません。
さまざまなサービスを上手に活用し、大切な人との突然のお別れを、素敵な装いで見送る準備を整えていきましょう。
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