「子供がピアノを習いたいと言っているけど、どれを買ったら良いのかな?」
「騒音や置くスペースを考えると電子ピアノがいいな。できれば本物のピアノに近い性能のものがほしいのだけど…」
そんな悩みを抱えていませんか?
ピアノは高価な買い物ですので、適当に選んでしまって後悔することは避けたいと誰もが思うでしょう。
この記事では、実際に私が経験したことを基に、『買ってはいけない電子ピアノ』の特徴を理解することで、電子ピアノ選びのコツが見えてくることをお伝えします。
私自身、電子ピアノと本物のピアノの両方を所有しており、両者の違いをしっかりと理解しています。
この記事では、買ってはいけない電子ピアノを見極めるためのポイントを3つ、そして初心者から上級者までのレベル別おすすめ商品をご紹介します。
記事を読み終える頃には、自分にぴったりの電子ピアノを迷わず選べるようになるはずです。
電子ピアノと本物のピアノの違い
一般的に、本物のピアノとは『アコースティックピアノ』に分類される『アップライトピアノ』や『グランドピアノ』を指します。
電子ピアノとの大きな違いは、音の生成方法にあります。
アコースティックピアノでは、鍵盤を押すとハンマーが弦を叩いて音が鳴りますが、電子ピアノには弦が存在せず、鍵盤を押すことで内部のセンサーが反応し、音を出力します。
実際に両者を弾き比べると、アコースティックピアノはタッチが重く、よりしっかりとした感触があり、音の響きにも奥行きが感じられます。
電子ピアノ
・電源が必要 ・鍵盤が軽い
・音の響きが劣る ・表現力がつけにくい
・マンションでも安心して使える ・音量調整が可能
・録音機能など多彩な機能が充実 ・ヘッドホンを使用すれば夜間練習も可能
・コンパクトで場所を取らない
アップライト
・音が響くためマンションでは難しい
・定期的なメンテナンスが必要
・引っ越しが大変で場所を選ぶ
・本物のピアノと同じサイズ感 ・コンクールなどでの練習にも適している
・表現力が高い ・電源不要でいつでも演奏可能
・鍵盤のタッチや音色のバリエーションを楽しめる
買ってはいけない電子ピアノを見極めるための3つのポイント
鍵盤のタッチと弾き心地
アコースティックピアノに近い弾き心地を求めるのであれば、必ず実際に店頭で試し弾きすることが重要です。
なぜなら、ネット上で評価が高い製品でも、実際に触れた感触は自分にしかわからないからです。
電子ピアノの鍵盤にはプラスチック製と木製があり、アコースティックピアノでは木製が一般的に使用されています。
プラスチック製の鍵盤は、軽く感じる一方で、爪が当たる音が耳に残ることもあります。
店頭ではアコースティックピアノも試し弾きさせてもらうことで、その違いを実感できるでしょう。
過度に軽い音質や鍵盤は、あまりおすすめできません。
鍵盤の数
推奨するのは、鍵盤の数が88鍵のモデルです。
その理由は、アコースティックピアノと同じ鍵盤数だからです。
一般的に、電子ピアノの鍵盤数は61鍵、76鍵、88鍵とさまざまな種類がありますが、鍵盤数が少ないほど、省スペースでコンパクトという利点があります。
しかし、初心者向けの曲ならともかく、ピアノの腕が上がってくると弾きたい曲が弾けないことも出てくるでしょう。
そのため、61鍵の電子ピアノは避ける方が良いと言えます。
音色
電子ピアノは、アコースティックピアノと似た音を出すことはできますが、完全に同じというわけではありません。
先に述べた通り、これは音が出るメカニズムが根本的に異なるためです。
「結局安っぽい音しか出せないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、高グレードの機種ほど、アコースティックピアノに近い音を出すことが可能です。
電子ピアノは、グランドピアノから録音したデジタル音源をアンプで増幅し、スピーカーから音を出力します。
録音精度の高さや、スピーカーの数が多いほど、音の深みや重厚感が増します。
音色は価格に比例するため、必ずお店で試し弾きして判断することをおすすめします。
レベル別おすすめの電子ピアノ
気軽にはじめる初心者モデル:4~5万円
続けるかどうかわからない場合や、とにかくコストパフォーマンスが良いものが欲しい!という方には、4~5万円のモデルが特におすすめです。
中には3万円台で購入できる製品も存在しますが、あまり安価なものは「電源が入らない」「音が鳴らない」といった不具合が多いといった声もよく聞かれます。
「88鍵のモデルが良いけれど、そこまで高いものでなくて良い」という方は、この価格帯から選ぶのが良いでしょう。
子供の自宅練習用:15~20万円
お子さんの練習用には、アコースティックピアノに近い弾き心地と音質を備えたものが理想的です。
ピアノのレッスンや発表会では、アコースティックピアノを使用することが多いと思われます。
電子ピアノを使っていると、「家では上手に弾けていたのに、レッスンや発表会ではなかなかうまくいかない」という声もよく耳にします。私自身もそのような経験があります。
これは内部構造が異なることが影響しています。
自宅用であってもできるだけ本物に近いものを選ぶ場合は、この価格帯から選ぶのが賢明です。
上達してきた中~上級者:30~40万円
高速連打やトリル、レガートといった繊細な奏法を、よりグランドピアノに近い形で表現できるのはこのクラスからです。
このクラスでは、スピーカーのグレードが向上し、搭載数も増えるため、より豊かな表現力を持つ音色を奏でることができるでしょう。
また、ヘッドホンを使用しても、ピアノ本体から音が自然に聞こえるような高品質なモデルも存在します。
限りなく本物に近い!最上位モデル:50万円~
「グランドピアノが欲しいけれど、住宅事情から電子ピアノを選ばざるを得ない」という方にぴったりなのが、このクラスの『ハイブリッドピアノ』です。
このモデルは、アップライトピアノやグランドピアノのハンマーアクション機構を取り入れており、まさにアコースティックピアノに極めて近い演奏が可能です。
鍵盤のタッチやヘッドホンから聞こえる音は、本物のピアノを弾いているかのようなレベルに達しています。
電子ピアノの人気メーカー
ヤマハ
- 上級者に特におすすめのブランドです。
すっきりとしたクリアな音色が特徴で、ハイブリッドピアノが人気です。
●弾き心地と音質・音響システムのバランスが非常に良い。
●初心者から上級者まで、幅広いニーズに応えた製品を提供しています。
●録音機能や片手ずつの演奏など、多彩なサポート機能が充実しています。
カワイ
●海外でも非常に人気があります。
●重厚感のある低音と、キラキラとした高音が特徴的です。
●鍵盤にこだわりがあり、白鍵だけでなく黒鍵も木製にしているのはカワイだけです。
●タッチがかなり重めに設計されています。
カシオ
- キーボードでは物足りないという方に人気のブランドです。
●コンパクトなデザインや手頃な価格帯が多いです。
●シャープで明確な音が特徴です。
ローランド
- 初心者に特におすすめされるブランドです。
電子ピアノ、シンセサイザー、エレクトーンなどの電子楽器メーカーとして知られています。
●グランドピアノに近いタッチの鍵盤を搭載しています。
●音の美しさと鍵盤の反応の良さが特徴です。
●エントリーモデルでも高品質な音質が実現されています。電子ピアノの小さな音やヘッドホンでも、音の立体感が感じられます。
コルグ
●手頃な価格帯の製品が多いです。
●明るく、力強い響きを持つ音色が特徴です。
●モダンでスタイリッシュなデザインが多く展開されています。
電子ピアノでの効果的な練習ポイント
音量設定
電子ピアノは音量を絞ることで小さな音で演奏することができ、設定音量以上の大きな音は出ないため、力を入れすぎて鍵盤を叩くという悪い癖がついてしまうことがあります。
その音量に慣れてしまうと、グランドピアノを弾く際に音の強弱をつけることができず、戸惑いを感じることが多くなり、結果としてメリハリのない演奏になってしまいます。
さらに、小さな音では演奏の粗や細部の表現を聞き取ることができず、なんとなく弾けている気になり、自分の耳を甘やかしてしまうことになります。
最も理想的なのは、スピーカーで音を出して練習することですが、ヘッドホンを使用する際も大きめの音量で練習することをお勧めします。
鍵盤の弾き方
『電子ピアノだとタッチが弱くなる』と言われることがありますが、これはセンサーが反応した時点で音が出るため、少ないエネルギーで音が鳴るからです。
実際に指で鍵盤を押す深さは約1cmほどです。中には、グランドピアノの鍵盤をゆっくりと深く押した際に感じる『カクッ』という感覚を再現した機種も存在するため、指のフォームや鍵盤の動かし方が非常に重要です。
中音量から大音量で音を出せるときは、指を鍵盤に乗せた状態から、素早くコツンと音が鳴るように鍵盤を底に当てるように動かしましょう。コツは、ハンマーが弦を力強く打つイメージを持ち、腕の重さを利用して深く打鍵することです。
また、電子ピアノには鍵盤のタッチ感度を調整できる機能が備わっているものもあります。電源を入れた際にタッチ感度は標準に設定されているはずですので、鍵盤が軽いと感じる場合は、『重め』に設定を変更してみてください。
さらに、電子ピアノの大きな利点は、『録音練習が容易にできる』ことです。
自分の演奏を録音して客観的に聞くことで、上手く弾けていない部分を重点的に練習し、改善することが可能になります。自宅で録音練習を繰り返し、ある程度曲の形ができれば、グランドピアノを弾く際にも劣悪な演奏になることは少なくなるでしょう。
ペダルの踏み方
電子ピアノでは、ペダルを踏みっぱなしでも音の濁りが少なく、正確なペダルの踏みかえができていなくても気にせず弾いてしまうことができます。
ペダルの踏み替えのタイミングにはルールがあるため、繰り返し練習を行い、意識しなくても自然とできるように体に覚え込ませることが大切です。
買ってはいけない電子ピアノのまとめ
最後にもう一度、電子ピアノ選びで失敗しないための重要なポイントをおさらいしましょう。
- 鍵盤のタッチや弾き心地に違和感がないか
- 鍵盤の数が十分であるか
- 音色がアコースティックピアノと大きく異なっていないか
これらを見極めるためには、実際に店頭で試し弾きするのが最も効果的です。
自分がどの程度弾けるようになりたいか、また騒音や配置スペースといった住宅環境によっても、電子ピアノに求める性能は変わるでしょう。
最低でも満たしたい条件をしっかり把握し、その上で価格と相談して選ぶことが重要です。
そうすれば、きっと後悔のない満足できる商品を選ぶことができるでしょう。
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