昨今、ストレスや日常的な運動不足が影響を及ぼし、便秘や下痢、ガスの溜まりなど、胃の調子が悪くなる人が増加しています。
実際、日本国内では、胃腸を含む消化器官系の治療を受けている方が約1000万人を超えていると言われています。
このような胃の不調に際して、多くの人がお世話になるのが整腸剤です。
最近では、薬局やコンビニエンスストアなどで手軽に購入して服用できるため、整腸剤は身近な存在となっています。しかしながら、整腸剤には副作用というデメリットも存在します。
この記事では以下の点について詳しく考察していきたいと思います。
・腸内バランスが崩れる原因とは
・整腸剤に含まれる成分
・整腸剤を服用すべきタイミング
・整腸剤の副作用について
腸内バランスが崩れる原因とは
胃の調子が悪化する原因として、日常の悪習慣が挙げられます。
まず第一に、食事の内容が偏っていることが考えられます。
腸内には「腸内フローラ」と呼ばれる、約1000種類以上の細菌が生息しています。この細菌たちの多様性が保たれることで、腸内環境が整い、身体全体の健康が維持されています。
しかし、毎日同じような食事を続けていると、腸内の細菌の種類が減少し、結果として免疫力が低下してしまうのです。
第二に、飲酒が腸内バランスに影響を及ぼします。
アルコールを過剰に摂取すると、大腸菌などの悪玉菌が増加し、腸内の毒素が増える原因となります。これらの毒素は腸管のバリア機能を破壊し、その結果として全身へと流れ込むことがあり、肝臓や他の臓器で炎症を引き起こすなど、他の消化器官に悪影響を及ぼす可能性があります。少量の飲酒は問題ありませんが、過度の飲酒は腸にとっては良くありません。
第三に、長時間同じ姿勢で座っていることも問題です。
IT化が進む中で、在宅勤務やデスクワークが増え、便利さが増している一方で、実はこれが腸にはあまり好ましくない影響を与えています。
ある調査によると、長時間座りっぱなしの人は、こまめに体を動かしている人に比べて善玉菌の数が少ないとされています。
第四に、不規則な生活リズムも腸内環境に悪影響を与えます。
夜勤や交代勤務などのライフスタイル、また昼夜逆転した生活を続けることで、体内時計が乱れ、身体はまるで時差ボケのような状態に陥ってしまいます。睡眠だけでなく、食事のタイミングが不規則であることも同様の問題を引き起こします。
第五に、睡眠不足も腸内環境を乱す要因となります。
十分な睡眠を確保できていない場合、腸内環境は悪化します。また、睡眠不足は肥満などの代謝異常を引き起こすとも言われています。
最後に、ストレスも大きな要因です。
脳と腸は密接に関連しています。ストレスを感じると腸内細菌の種類が減少し、多様性が失われ、結果的に下痢や便秘などの症状を引き起こすことにつながります。
整腸剤を服用するタイミング
次に、整腸剤を服用するタイミングについて考察してみました。
基本的に整腸剤は腸内の善玉菌を補充し、悪玉菌を減少させることで、腸内の細菌バランスを整えてくれる薬です。腸内細菌のバランスを整える効果があるため、便秘と下痢、どちらの症状の際にも使用することができます。
整腸剤に含まれる成分
市販されている整腸剤には多様な種類が存在しますが、共通する成分としてはビフィズス菌、酪酸菌、乳酸菌が多く含まれています。
ビフィズス菌は、人間の腸内に最も多く存在する善玉菌であり、腸内に定着しやすい特性を持っています。主に大腸に生息し、糖を分解して乳酸と酢酸を生成します。酢酸には強力な殺菌作用があり、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑制し、腸の粘膜を保護します。
酪酸菌は、糖や炭水化物を分解し、酪酸を生成します。また、乳酸菌が作る乳酸からも酪酸を生成することが可能です。酪酸は善玉菌の働きを活性化し、悪玉菌の働きを抑える役割を果たし、腸のぜんどう運動を促進するエネルギー源となります。
乳酸菌は糖を分解し、乳酸を生成します。主に小腸に生息しており、乳酸を産生することで腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌が増えやすい環境を提供します。
乳酸菌にもさまざまな種類があり、整腸剤に使用される主な乳酸菌にはフェリカス菌、アシドフィルス菌、ガゼリ菌、有胞子性乳酸菌が含まれます。
整腸剤の副作用
ここまで多岐にわたる情報をお伝えしましたが、整腸剤には副作用というデメリットも存在します。
服用する錠剤の数や個人差によって異なりますが、ガスが発生してお腹が張ってしまったり、逆にお腹が緩くなることがあるかもしれません。また、腸が活発に動きすぎる人もいるようです。
インターネットなどで使用方法を調べると、何錠服用しても問題ないとされることもありますが、個人によっては1回2錠に抑えた方が良い場合もあります。さらに、医師の診察を受けて他の薬を服用している場合は、予期しない副作用を避けるためにも、医師に相談することが重要です。
まとめ
整腸剤は非常に便利な存在ですが、その成分を理解し、副作用があることも知っておくことが大切です。
どんな薬でも過剰摂取は良くありません。服用する際には、かかりつけの医師や薬剤師に相談したり、使用方法をしっかりと確認した上で使用することが重要です。
メリットとデメリットを適切に理解し、うまく薬と付き合っていくことが求められます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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