資産形成を始めるあなたに向けた 買ってはいけない株主優待株

あなたは「株主優待」という言葉を耳にしたことがありますか?

テレビやインターネットの記事などで「株主優待を利用して生活している人にインタビュー!」という形で目にする機会があるかもしれません。

しかし実際には、「株式投資については全く知識がない」という方や「株主優待株って一体何?」と疑問に思っている方がたくさんいるのではないでしょうか。

そこで、今回は株式投資や株主優待に興味を持つ方々に向けた内容をお届けします。

株式・株式投資とは

企業が事業資金を集める一手段として「株式発行」があります。

「株式」とは、こうした目的のために発行される証券のことを指します。

株式を購入した人は「株主」として知られ、企業の出資者の一員となるのです。

会社を立ち上げるためには500万円の資金が必要なんです。

でも、そんな大金は持っていませんよ。

それなら、株式を発行して資金を集めるのがいいわよ。

了解しました。それでは、一株1万円で500株の株式を発行します!

私に200株を購入させてください。

その代わり、私は会社の株主になります。

私も300株買いますので、私も株主になります。

ありがとうございます。

これで事業資金が確保できましたね!

株主は企業に資金を提供することの対価として、株主総会での議決権や配当金、さらには株主優待を受け取る権利を得ることが可能です。

今年、私たちの会社は100万円の利益を上げました。

株主の皆さんには、一株あたり1000円の配当金をお返しします。

やった!私は20万円を受け取りました。
私は30万円を受け取りました。

このように、企業は資金を得て株主は出資の対価を受け取ることができるのです。

実際には、このように簡単に進むわけではありませんが、大まかな流れとしてはこのような形で進行します。

株式投資のメリット・デメリット

では、株式投資を行うことによって得られるメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

メリット

株式の価格上昇による利益を狙うことができる。
配当金を受け取ることが可能である。
株主優待を享受できる。
株主総会に参加でき、議決権を持つことができる。

デメリット

株式の価格が下がるリスクがあり、また、企業が破綻すると株式の価値が失われる可能性がある。
株式を売りたい人が少ない場合、自由に売買ができなくなる(流動性がない)。
外国株式を売買する際は、為替の影響で損失が生じるリスクがある。
株式投資の醍醐味は、株式の価格変動による損益です。
これは別名キャピタルゲインとも呼ばれています。
対して、株主優待や配当金から得られる利益はインカムゲインとして知られています。
株式投資から得られる利益の多くは、このキャピタルゲインとインカムゲインの双方から生まれています。
また、株式を売買したいと思っている人が極端に少ない場合、「売りたくても買ってくれる人がいない」、「買いたくても売ってくれる人がいない」といった状況が発生することがあります。
そのため、マイナー株や小型株を取引する際には、その株式の流通量(出来高)に注意を払うことが重要です。

株主優待株とは

株主優待株とは、株主に対する還元を株主優待品と称される金券や商品などで行っている会社の株のことです。

会社が定めた株数の株式を「権利確定日」の時点で保有していることが条件となり、その株主優待品が会社から送られてくるのです。

また、権利確定日までに株式を保有するためには、最低でも2営業日前の「権利付き最終日」までに株式を購入する必要があります。

株主優待としてよく提供される商品には以下のようなものがあります。

  • 米・飲料
  • 自社製品
  • 金券・クオカード
  • カタログギフト
  • その他

このように、株主優待は非常に使い勝手が良い商品が多いため、株式投資を始めたばかりの方や主婦層に非常に人気があります。

また、これら以外にもユニークな株主優待品を提供している企業がたくさんありますので、興味がある方はぜひ調べてみると良いでしょう。

株主優待株を始めるメリット・デメリット

株主優待株を始めることには、いくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット

商品が自宅に直接送られてくることが多く、会社からの還元を実感しやすい。
株主優待品を目的とした投資家が多いため、株価の下支えが期待できる(値下がりしにくい)。
長期保有することで優待が強化される株もある(優待品の増量・増額など)。

デメリット

多くの会社が100株からの保有を条件としており、一定の資金が必要とされる。
優待の改悪や廃止のリスクが存在する。
最近では1株から売買できる証券会社が増えてきており、投資へのハードルが年々下がってきています。
しかし、株主優待株に関しては100株以上の保有が条件となっている会社が多く、資金があまりない若者にとって優待株への投資は容易ではありません。

買ってはいけない株主優待株とは

これまでの内容を考慮すると、株主優待株は非常に人気があり、値下がりしにくく、継続的なメリットを享受できる可能性が高いように思われます。

しかし、株主優待株には注意すべき落とし穴が存在します。

それは、業績が悪化したり、有事の際に非常に弱い株があるということです。

人気の株主優待株は、多くの株主優待目的の個人投資家によってその株価が下支えされています。そのため、有事や業績の悪化により企業が優待を改悪または廃止せざるを得なくなると、これまでの個人投資家による下支えを失ってしまいます。

その結果、他の株式とは比較にならないほどの大暴落が発生するリスクがあるのです。実際に、2020年の新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し、優待を廃止した企業の株価は大きな下落を経験しました。

また、中には優待による人気が原因で株価が不当に高くなっている株も存在します。そのような株も優待の廃止による暴落リスクが大きいため、注意が必要です。

これらのリスクを回避するためには、以下の点に留意して株主優待株を購入する必要があります。

  • 同じ業種や企業に過度に集中して投資することを避ける(分散投資を行う)。
  • 自己資本比率を確認する。
  • 利回りが極端に高い株には注意する。(経営を圧迫している可能性があるため)。

自己資本比率とは、企業の倒産リスクを評価するための指標の一つで、一般的には30%以上安全とされています。

また、配当金に加えた総合利回り(配当利回り+優待利回り)高すぎる場合は、株主への還元が企業経営を圧迫している可能性があるため、そのような株への投資は避けるべきです。

まとめ

株主優待株はその人気と魅力によって下支えされている一方で、大きな落とし穴も存在することが理解できたのではないでしょうか?

十分な資金があれば、さまざまな株式に分散投資でき、リスクを軽減することが可能です。ただし、まとまった資金がない方は、1株からの投資を通じて分散投資を始めるのも一つの手段です(分散投資にはインデックス投資なども含まれます)。

株式投資には、株主優待株以外にも高配当株やグロース株、外国株、ETFなど多種多様な選択肢があります。優待株だけでなく、他の投資タイプにも目を向けていただき、「投資生活」を楽しんでいただけることを心から願っております。

本記事はここで締めくくります。ご覧いただき、誠にありがとうございました。

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