「牛乳石鹸」という名称を耳にすると、ほとんどの方は体を洗うために使用する石鹸だという印象を抱くかもしれません。しかし、最近ではSNS上で、牛乳石鹸を洗顔料として利用している女性たちの投稿が多く見られるようになりました。
1個あたりの価格が約110円という手頃な設定で、非常にコストパフォーマンスが高いと評判です。そのため、多くの人々が実際に使用した結果、肌がしっとりと仕上がるというポジティブな口コミを数多く目にすることができます。
しかし一方で、洗った後にさっぱりしない、あるいは乾燥してつっぱるといった真逆の意見も存在します。なぜこれほどまでに評価が二極化しているのでしょうか。購入を検討する前に、石鹸選びのポイントについてじっくりと考えてみることが重要です。
牛乳石鹸の赤箱と青箱の違い
牛乳石鹸には、外箱の色に応じて赤箱と青箱の2種類があります。スーパーやドラッグストアの棚では、簡単にその違いを見つけることができるでしょう。どちらの石鹸も牛乳を主成分としており、昔からの伝統的な釜だき製法で作られているため、肌触りは非常に滑らかで心地良いのです。
それぞれの石鹸の違いとして特に大きなポイントは、保湿成分の有無と香りの違いにあります。
しっとりした使い心地の赤箱
赤箱には、スクワランという保湿成分が含まれています。このスクワランは、ほ乳類や植物に由来する天然の成分で、肌に優しい特性を持っています。汗や水分と混ざり合うことで膜を形成し、乾燥から肌を守り、トラブルを未然に防ぐ役割を果たします。そのため、洗い上がりはしっとりとしており、つっぱりにくいといった特徴があります。また、心を穏やかにし、リラックスさせるようなローズ系の香りが、使う人に心地よい体験を提供します。
さっぱりした使い心地の青箱
一方、青箱にはスクワランが配合されていません。

青箱も牛乳成分を使用しているため、肌当たりは非常に良いですが、赤箱と比較すると潤いの感じ方にはやや劣る傾向があります。青箱は、さっぱりとした洗い上がりを重視しているため、特に脂性肌の方には好まれることが多いです。青箱の香りはジャスミンの花を基にしたもので、赤箱よりも控えめで落ち着いた印象を与えます。
洗顔にむくのは赤箱
洗顔料としての利用を考えるのであれば、赤箱が非常に適していると言えます。洗顔後でも潤いが感じられるため、肌に優しい使用感が期待できます。

SNS上では「赤箱」や「赤箱女子」といったハッシュタグが多く見られ、多くの女性たちに人気を集めています。肌トラブルに悩んでいる人々の中には、皮膚科医から肌に優しい石鹸として赤箱を勧められるケースもあるようです。
一方で、脂性肌の方には青箱のさっぱりとした使用感が好まれることもあります。しかし、公式サイトや利用者の口コミを確認すると、洗顔に関して特に青箱の使用が推奨されているわけではないことがわかります。
もし牛乳石鹸を使用しているのに、肌のつっぱりや乾燥が気になる方は、青箱を選んでいることが原因かもしれません。青箱を使用している方は、お風呂用として使用し、洗顔には赤箱を使うことを検討してみてはいかがでしょうか。
赤箱を使っているのに肌悩みが解消しない
赤箱を使っているにもかかわらず、乾燥してピリピリする、または肌に潤いが感じられないという悩みを持つ方も少なくありません。そういった場合、肌を傷める行動をとっている可能性が考えられます。具体的に注意すべきポイントは以下の通りです。
石鹸を泡立てずに洗う
洗顔時に、手のひらに石鹸を直接こすりつけて、力を入れて塗り広げている方はいませんか。強くこすることで、肌にダメージを与えることがあり、これが乾燥を悪化させる原因となってしまうこともあります。
赤箱は比較的泡立ちが良いですが、洗顔ネットなどを使用することで、さらにきめ細かいクリーミーな泡を作り出すことが可能です。柔らかい泡を肌に優しくのせて、顔全体に広げるようにすることで、肌トラブルを悪化させるリスクを減らすことができます。朝の忙しい時間に泡立てる余裕がない場合は、手で軽く泡立てて、顔を包み込むようにして広げると良いでしょう。
また、すすぐ際にも注意が必要です。両手に水をためて、こすらずに優しく洗い流すことを心掛けると良いでしょう。
メイクを落とさないで洗顔する
どれだけ泡立てても、赤箱ではメイクを完全に落とすことは難しいです。メイクが落ちないまま何度も洗顔を行うと、必要な皮脂が奪われ、結果として肌がさらに乾燥してしまうことがあります。
特に、ウォータープルーフタイプのアイメイクやティントリップなどは、赤箱では完全には落とすことができません。したがって、先にメイク落としやポイントメイク用のリムーバーを使用し、その後に赤箱でダブル洗顔を行うことをおすすめします。
洗顔後にスキンケアをしないままでいる
赤箱を使って泡で洗顔をしたり、メイク落としを行ったりしているのに、肌の調子が良くならないという方はいらっしゃいませんか。石鹸に保湿成分が含まれているからといって、スキンケアを怠っている場合があるかもしれません。
洗顔の後は、必要な皮脂が肌から除去された状態になります。洗った直後は肌の水分が残っているように感じるかもしれませんが、皮脂が不足しているために蒸発しやすい状態になっているのです。そのため、そのまま放置すると乾燥が進行してしまう可能性が高いです。
洗顔後は化粧水でしっかりと保湿を行い、その後に乳液やクリームでフタをすることが非常に重要です。朝はメイク前にお手入れを行う方が多いので特に問題はないかもしれませんが、夜に家事や仕事で忙しくてスキンケアを怠る方もいるかもしれません。手間がかかるように感じるかもしれませんが、トラブル知らずの美肌を目指すためには非常に大切なポイントとなります。
赤箱が向かない方
洗顔に適しているとされる赤箱ですが、どうしても合わない方も存在します。特に脂性肌の方は、洗った後にさっぱり感が得られないと感じることがあるでしょう。また、牛乳成分が合わない、あるいはローズの香りが好みでない方もいるかもしれません。赤箱の特性をしっかりと理解し、購入前にじっくりと検討することをお勧めいたします。
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